10/31/2006

002  はじめに(02) 「コンテンツ振興」とは

 もっとも、一口に「コンテンツ振興策」といっても、そもそも何をもって「コンテンツ振興がなされた」とみるのかが問題です。このあたりの話というのは、各人が置かれている立場やもっているイデオロギー等でてんてんばらばらになるので、議論したって見解の一致などでるはずもありません。

 ということで、私としては、「より多くの人がコンテンツをクリエイトしまたはパフォーマンスすることを生業とすることができるようになること」をもって「コンテンツ振興がなされた」とみることとします。

 ここで重要なのは、クリエイターとパフォーマーを中心に置くということです。もちろん、クリエイターとパフォーマーだけではコンテンツを製作して需要者の元に届けることは大変なわけで、したがって、クリエイターとパフォーマー以外のステークスホルダーの利害にも一定の配慮をしないとコンテンツ振興など覚束ないのですが、とはいえ、それらステークスホルダーの権益保護というのは、コンテンツ振興の目標の一つではなく、あくまで「手段」としてとらえていくということです。

 もう一つ重要なことは、コンテンツをクリエイトしまたはパフォーマンスすることを生業としていかれる人々を増やしていくことです。コンテンツについていえば、「数を打たないとあたらない」という側面がありますので、裾野の広さは質の高さを導く大きな要素ともなります。もちろん、突然天才が現れ、質の高いコンテンツを残して去っていくということもあり得なくはありませんが、そういう偶然の要素に過度に期待するのはもはや「政策」とはいいがたいように思います。

Posted by 小倉秀夫 at 01:27 AM dans 規制強化に頼らぬコンテンツ振興策 | | Commentaires (0) | TrackBack (0)

10/25/2006

001 はじめに(01)

 昨日、東京国際映画祭におけるエンターテインメントロイヤーズネットワークのブースにおいて法律相談を4時間ほど担当していました(一応、発足時メンバーだったりします。)。

 法律相談を終えた後レセプションに向かう途中でS弁護士と雑談をする中において、コンテンツホルダーやその周辺にいる人達は、著作権法等による流通等の規制を強化することなくしては、創作者たちは早晩やって行かれなくなると本気で思っているように感じました。

 しかしながら、流通側の代理人として、あるいはクリエイター側の代理人として、あるいはいち消費者として、あるいは学生と接する教員として、現在の日本のコンテンツビジネスを改めて見直してみると、著作権等の規制強化に頼ってみたところでコンテンツビジネスを発展させることはおろか現状維持を図ることすらできない反面、著作権等による規制を最大限利用しなくとも、否、最低限度の利用に留めることにより、コンテンツビジネスをより発展できるように私には思えてならないのです。

 そこで、このブログにおいては、「規制強化に頼らぬコンテンツ振興策」について、不定期連載をしていこうと思います。

Posted by 小倉秀夫 at 07:54 PM dans 規制強化に頼らぬコンテンツ振興策 | | Commentaires (1) | TrackBack (0)