proxyによるストーキング
日本では、「proxyによるストーキング」というと、proxyサーバを活用したcyberstalkingのようなものを思い浮かべがちですが、実際には、この言葉は別の意味で用いられています。
嫌がらせ行為を自ら実行するのではなく、嫌がらせ行為を行うように他人を煽ることを、「stalking-by-proxy」(代理によるストーキング)というのだそうです。2ちゃんねるや監視サイト等で、特定のブログへのコメントスクラムや電凸を煽るような行動も、ここでいう「stalking-by-proxy」に含まれるのでしょう。Bocij「Cyberstalking」100頁によれば、一人の被害者ではなく、たくさんの人を操ることができるので、「sense of power」を増大させるのだろうとのことです。
Bosij・前掲100頁によれば、「stalking-by-proxy」は、グループ全体への嫌がらせや政治的目的の追求にも用いられるようで、極右団体が敵と戦うために、ガソリン爆弾の製造・貯蔵の説明書とともに、著名な反差別主義者たちの氏名と住所を流布させていた件などが例示されていました。Bocijも、テクノロジーを活用したこのような「stalking-by-proxy」の社会学的または心理学的な要因についてはよくわかっていないと述べていますが、一方で、極端な見解を持っている集団との関係では、「The influence of the group and its message may cause indivisuals to surrender to the group's authority, making them submissive to its suggestions and wishes.」という説明が可能なのではないかと述べています(Bosij・前掲101頁)。
「stalking-by-proxy」に限らず、「極端な見解」をお持ちの方々によるコメントスクラムや粘着君などのcyberstalking活動の動機としては、しばしば、彼らの集団の権威に他人を屈服させたいという点があるのだろうなあということを、日本のcyberstalkerさんたちを見ていると思ってしまいます。
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