« 毛沢東主義が闊歩する「美しい国」? | Accueil | ハンカチ王子 »

10/09/2006

若者に「命をささげ」させる前に

 「いざというときに祖国のために命をささげる覚悟があること」を他人に要求する方々が最近お元気ですね。

 こういう方々は、その他人が「祖国のために命をささげる」べき「いざというとき」として、どのような場面を主として想定しているのでしょうか。「ひとつは芸術や文学など幅広い教養を身に付けて大局観で物事を判断することができる」1万人もの「真のエリート」が「祖国のために命を捧げ」なければ国民生活の安寧を保てない事態というのは、そうそう想定できるものではありません。また、1万人の「真のエリート」に「祖国のために命をささげ」させることにより解決できる問題というのもそうそう想定しがたかったりします。

 むしろ、日本が現在おかれている困難の多くが多分に経済的なものであることを考えると、「命をささげる」より「財産をささげ」てくれた方がよほど役に立つのであり、したがって、若者に対して「いざというときに祖国のために命をささげる覚悟があること」を要求する人々は、その前に、例えば、遺産の大部分を国庫に寄贈する旨の遺言書を作成しようと国会議員や財界人等の富裕者層に要求したり、議員報酬や役員報酬等の収入がそれなりにある高齢者に対して年金の受給を辞退して頂くよう求めたりするのが先なのではないかという気がしなくもありません。

 既にそれ相応の社会的な権力を有している後者の方々に対しては、生きていく上で支障にならない程度の財産を祖国のために捧げることすら求めることができないのに、未だ社会的な権力を有していない前者に対しては意気揚々と「祖国のために命を捧げること」を要求してしまう人々は、「ヘタレ」といわれても仕方がないように思ったりもします。

« 毛沢東主義が闊歩する「美しい国」? | Accueil | ハンカチ王子 »

Commentaires

>北朝鮮やイランは前提状況が最初から違います。彼等は自らの意思でNPT体制に入りながら、それを反故にし、IAEAの査察を拒んでいます。あまつさえ脱退して核武装を行い、その上で何もお咎めが無いとしたら。

事実の誤認があります。
イランは2002年以降、IAEAの査察を受け入れています。
そのIAEAが査察して、「イランが核兵器を開発しているという証拠
は見つかっていない」という主旨の報告書も発表しています。
http://www.antiwar.com/prather/?articleid=6601

IAEAの監視を受ければ、どこの国でもウラン濃縮をする権利があるというのがイランの主張です。
イラクの大量破壊兵器のときと同様に、実際はアメリカだけが強行に主張しているだけ。イラクの時のように単独でまた戦争されても厄介だからEUが仲介にはいったりしてますが。
(しかもイラク側に形勢が有利になってくると、フランスやロシアがすかさず原子力技術をイランに売り込んだりしているし。
http://www.rense.com/general68/nucel.htm
そもそもIAEAもイスラエルもアメリカも「イランは核兵器を持つまでに10年かかるという分析」で一致しています。「10年」もかかるってことから、「現在のイランがほとんど何の核技術がない」ってことで、そこまで含めてIAEAもイスラエルも公式に認めています。
北朝鮮とイランをひとくくりにするのは、それこそ前提条件が違います。
もちろん、北朝鮮に限って言うのであれば、かの国の行動はNPT体制を崩壊させるものとして非難すべきことだと考えますので。

どっちにしろ、1万人くらいの「真のエリート」が祖国のために命をささげたところでどうこうなることでもなさそうな気がしますが。

JSFさんは、どうやら「近い将来確実に起こると予想される」「核実験」から「ごく近距離における戦争」が発生する危険が増大するとおっしゃりたいものとお見受けしました。しかし、核実験は、近隣諸国を威圧するためになされるものではあっても、直ちに戦争の危険性を増大させるものではないように思われます。どういった因果の流れを経て戦争に至るのか、ご教示願いたいものです。

「核実験」という事実から、一体どういった危機を連想なさっておられるのか、よく分からないですね。

L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: 若者に「命をささげ」させる前に:

» 老人に「金をささげ」させるには [404 Blog Not Found]
この意見に禿同なるも、事態は彼らを「ヘタレ」呼ばわりしている暇がないほど逼迫しているようにも感じる。 la_causette: 若者に「命をささげ」させる前に 既にそれ相応の社会的な権力を有している後者の方々に対しては、生きていく上で支障にならない程度の財産を祖国の...... [Lire la suite]

» やってもいいよ。 [地方(≠痴呆)にいるけど賢くなりたい経済学教員]
えーと、大学の教官ですが、賛成一票。体動かすの好きですし、世間知らずですし。 素晴らしい政策だ。感動した! 命を投げ出して国を救う1万人のエリートを育てるためにも、その貴重な候 補者たる数者・大学教授・弁護士・テレビキャスター・作家あたりにも是非。できれば... [Lire la suite]

« 毛沢東主義が闊歩する「美しい国」? | Accueil | ハンカチ王子 »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31