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05/09/2006

Sympathy for the moderate

 世の中で普通に社会生活を送っていると、第三者からの様々な要求に日々晒されることになります。そのような要求に晒された人や企業のためにどう対処すべきかをアドバイスすることも私の重要なお仕事の一つです。

 それらの要求の中には、なるほどと思わせるものもあれば、こちらにも言い分はあるけれども受け入れた方が対外的なイメージは良くなるだろうなというものもあれば、こちらの言い分の方が筋がよいとは思うけれども敢えて争わない方がコストバランスが優れているだろうというものもあれば、コストがかかろうとも突っぱねるべきだろうなというものもあります。そして、第三者からの特定の要求がこのうちのどれにあたるかということについて、アドバイスする人ごとにとらえ方が違うことも良くあります。だからこそ、重要な問題に関しては、複数のアドバイザーを呼んで議論をさせたりすることも少なからずあります。

 そして、ここで重要なのは、第三者からの要求に対して強硬姿勢を取ることを推奨する人ほどアドバイジー(アドバイスを受ける人)に対する「愛」が強く、第三者からの要求を受け入れることを推奨する人ほどアドバイジーに対する反感ないし憎しみが強いというふうには一般に捉えられていなかったりするということです。第三者からの要求に対して強硬姿勢を取ることはリスクも大きいため、外野から無責任にアドバイスをするときは気軽に強硬策を推奨しがちなのに対し、実際に現場で責任のある立場でアドバイスを行うとなると、むしろ安全性を重視したアドバイスに傾きがちですが、だからといって必ずしも相手が憎いわけではありません。それどころか、アドバイジーのことを愛すればこそ、心配すればこそ、アドバイジーが危険を冒さないように、周囲と融和的に振る舞うようにアドバイスすることなんて、世の中ではいくらだって見ることができます。

 たとえば、上村愛子さんのブログにわっとネットイナゴが押し寄せたときに、あそこはExciteの公式ブログですし、上村さん自身人気アスリートですから、周囲にアドバイスしてくれる人がたくさんいて、その中には、あの種の人たちをまともに相手にしていても時間の無駄だからとりあえず謝ってしまいなさいというアドバイスをした人がいるのではないかと思っているのですが、そうだとした場合に、そのようなアドバイスをして人は上村さんに対する反感ないし憎しみが強かったからこそそのようなアドバイスをしたのかというとおそらくそうではなく、むしろ上村さんのことを心配する気持ちが強かったからこそそのようなアドバイスをしたのではないかと私は想像します。

 同様に、一国の政府に対して、第三国からの具体的な要求について強硬姿勢を取ることを推奨する人ほど当該国を愛しているとはいえないし、第三国からの具体的な要求についてその全部又は一部を受け入れことを推奨したからといって当該国に反感や憎しみを抱いているとはいえないのです。ところが、国の話になると突然、対外強硬派=愛国者、対外融和派=反日・売国奴というレッテルを貼ってしまう方が跡を絶たないようです。

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