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19/10/2006

同格の「の」

 「メディア・リタラシー」という言葉がネットではしばしば用いられます。しかし、イナゴさんや粘着君たちを見ていると、それ以前に、一般的なリタラシー(読解力)が不足しているように思われてなりません。

 例えば、「Anonymous coward」の訳語として私がしばしば用いる「匿名の卑怯者」という表現について、ここで用いられている「の」は「同格の『の』」であり、したがって、「匿名の卑怯者」という語を用いる者は、「匿名」のもの全てが「卑怯者」といっているのだという人々がいます。しかし、どういう国語教育を受けてきたらそのように解釈できるのかというのはとても不思議です。

 「同格」というのは、「文法で、一つの文の中において、語あるいは文節が他の語あるいは文節と、文の構成上の機能が同一の関係にあること」をいいます。したがって、「同格の『の』」の前後の語または文節は、当然「=」ではないものとなります(「同格の『の』」の場合、「〜であって」というふうに置き換えられるのです。)。「同格の『の』」の用例として最も有名なものの一つに「大きなる柑子の木、枝もたわわになりたるが」という徒然草の一節がありますが、もちろん吉田兼好は、「大きなる柑子の木」は全て「枝もたわわになりたる」のだと言っているわけではありません。

 「匿名の卑怯者」の「の」場合、「匿名であって卑怯な者」という意味を表す「同格の『の』」としても意味は通ずるようにも見えますが、普通に「性質・状態」を表す連体修飾格としての格助詞ということで言いように思います。

 もっとも、国文法以前に、「匿名の○○」という表現によって「匿名は全て○○だ」という意味を表す用例を見たことがあるのか考えてみたらよいのではないかと思います。

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Commentaires

まずは、「匿名の卑怯者」の「の」は「同格の『の』」だから「匿名=卑怯者」と読み取れるみたいな発言について「それはおかしい」と感じられないと、いくらいろんなソースを比較してもどうにもならないのではないかという気がします。

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