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29/12/2006

コメント欄もwikipediaも内部告発の場ではない

 BigBanさんの「朝日に報じられたオーマイニュース苦戦の深刻----問題はアクセス数激減だけではない」というエントリーにおけるコメントより、

これをセットでしかも「2ちゃんねらー」というレッテルをかぶせて一緒くたに論じ、それを繰り返すことによって、鳥越氏は、内部告発や危険水域から匿名で発言しようという人々たちを放り出す結果となっています。本来オーマイニュースは訴訟問題等が起きた場合のリスクを、最大50万円の限定ですが、発言者に帰属させました。最初から実名が推奨されることで封じられるオピニオンがありますが、言論機関の長であればその点も斟酌して発言するべきです。

 しかし、オーマイニュース日本版のオピニオン会員によるコメントには、内部告発や危険水域からの匿名での発言なんてものはなかったわけです。むしろ、匿名性の高いコメントを可能とすることによって、自分とは相容れない思想傾向の記事を掲載する市民記者に対して執拗にネガティブな言葉を投げつけることによってその種の市民記者がさらなる記事を投稿する意欲を奪おうという一種の言論封じのためにコメント欄が活用されたとすらいいうる(bigbanさんの言い回しを借用するならば「最初から匿名が許容されることによって封じられる記事がありますが、言論機関の長であるが故にその点を斟酌せざるを得なくなったということでしょう。)。さらにいえば、オピニオン会員は、少なくとも編集部との関係で「どこの誰であるのか」が明らかにされていなければ、コメントにより市民記者または第三者との間に訴訟問題が起きた場合のリスクを負わなくて済むわけです。

 さらにいえば、全てのCGMが内部告発や危険水域からの匿名での発言を行う場である必要はないわけです。オーマイニュース日本版のコメント欄(正確にいえば「この記事にひと言」欄)についていえば、市民記者による個別具体的な「記事」に対する「感想や意見交換、質問など」を行うための場であって、内部告発や危険水域からの匿名での発言を行う場として用意されているものではそもそもありません。市民記者に対する「感想や意見交換、質問など」を正常に行うにあたって匿名である必要はないし、むしろ、市民記者に対する「感想や意見交換、質問など」は理性を保った状態でなされた方が建設的で有益であるといえます。

 話は少し変わりますが、池田信夫さんが「2ちゃんねる化するウィキペディア」というエントリーを立ち上げています。考えてみれば、「wikipedia」もまた、内部告発や危険水域からの匿名での発言などというものを掲載する場ではありません。むしろ「『内部告発された事実』という編集者等が容易に検証することが不可能な記述をwikipediaに持ち込まれてもそれは困りものだとすらいえます。そういう意味では、wikipediaにおいて匿名性を維持する必要はないし、むしろ、匿名性が保たれた環境ではその党派性を剥き出しにする人が少なくない我が国においては、wikipediaにおいて匿名性を維持する限り、イデオロギー闘争の場として編集合戦が行われるという悲劇が発生する虞が高度にさえあります。

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Commentaires

    でも、「匿名による内部告発」なんてものは、
    摘示された事実の存否が中心課題であるにもかかわらず、
    その記述だけしか手がかりがないのです。
    そんなものは、百科事典としては不要といいますか、有害です。

あ~そういうことでしたか。

小倉さんには内部告発というのが自明のことして見えるのか・・・・。
わたしは機械屋だから、内部告発なのか批判なのか誤解なのかがそもそも分からない、という前提で考えています。

だから、ある人から見ると「これは内部告発」であっても別の人が見ると「そりゃ常識の内だ」というところまであるわけで、公開された情報が内部告白だからという定義が基本的に出来ないと思っています。
それを「内部告発であると定義できることが自明のことだ」という論理だったとは予想外でした。

どうも「情報が内部告発であることが明らかな場合」というのが成立するのかな?となると「これは内部告発です」と看板でも出していない限りは誰もが確実に「これは内部告発だ」と認識できませんよね。
まぁここらを狭く解釈すれば、小倉さんの主張は問題がないわけで、広く解釈すると「内部告発と解釈できるすべての情報」となってしまって、事実上意味がない。

こんな問題ですね。

 「内容を見ることを重視する」といわれても、事実の存否に関する部分って、その記述をいくら見たって判断しがたいわけです。でも、「匿名による内部告発」なんてものは、摘示された事実の存否が中心課題であるにもかかわらず、その記述だけしか手がかりがないのです。そんなものは、百科事典としては不要といいますか、有害です。
 

    むしろ「『内部告発された事実』という編集者等が容易に
    検証することが不可能な記述をwikipediaに持ち込まれて
    もそれは困りものだとすらいえます。

誰が困るのか?を明記されていないから「一般人」だと判断しますが、そうするとほとんど事柄について「容易に(一般人は)検証が不可能」になってしまうかと思います。
というより、知らない(検証が難しい)からこそ情報に価値があるという側面があるわけですから、確かに「困る」ケースはあるでしょうが「全く困ることがない」状態はこれまた意味がない。

つまりは、この部分は匿名性とはあまり関係ないように思いますね。

匿名だと、ワケの分からないことを書きやすいから wikipedia にとってマイナスだというの分かりますが、署名入りなら大丈夫でもないことはトンデモ本などが学校の教育現場にまで入り込んでいることまで考慮すると、外形的条件設定では対処できなだろう、内容を見ることを重視することも必要不可欠と思うのです。

 そんな、iroseさんの独自の見解を繰り返されても……。
 「ニュース記事」に、記者なり編集者なりの「ものの見方」が反映されるなんて普通のことです。

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