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31/01/2007

一昨日の裁判について

 オーマイニュースの石川さんからメールで取材を受けたのでご回答をいたしたのですが、その後何の連絡もありませんので、石川さん宛のご回答をベースにしたコメントを出しておこうかと思います。

 依頼者を誹謗中傷する発言が特定の電子掲示板に長期間に亘り継続的に投稿されており、この間当該電子掲示板の管理人は当該誹謗中傷発言を削除する等の管理行為を行わず、また、当該電子掲示板の利用者による自浄作用も働かなかった。さらに、当該電子掲示板では、誹謗中傷発言の削除等の措置を講じないまま、当該誹謗中傷発言を含むスレッドを過去ログとして長期にわたり公衆がダウンロードできる状態に置くこととした。また、当該電子掲示板には、まともな苦情受付窓口がなかった。だから、やむなく、当該電子掲示板の管理人に対し、民事訴訟を提起した。本件はそういう単純な事件です。

 ですから、普通の弁護士が普通のルートで普通の条件で依頼されれば、普通に受任する類のものだと思います。

 法律論としては、従前あまり言及されてない様々な論点が含まれますので、かなり面白いとは言いうると思います。ただ、現実論としては、法的な責任を実際に負わされるリスクなしに特定人を自由に誹謗中傷することができる「無法地帯」を作り出す権限を電子掲示板の設置者に与えてよいのかということに帰着します。おそらく、一種の無政府主義にシンパシーを持つ一部の方々以外は、「それはよくない」と考えるのではないかと思っています。

 石川さんから、「2ちゃんねるに望むことは?」とのご質問がございましたので、簡単に答えておこうと思います。

 「2ちゃんねる」に対して強いて望むとするならば、他人を不幸にし又は他人に不快感を与えるために「2ちゃんねる」を悪用している「一部の人」たちを排除し又はその活動を抑制する方法を、真剣に追求して頂きたいと思っています。それは、現実社会で生活し、活動している人々のためだけではなく、「2ちゃんねる」上で年齢や性別、出身地、肩書き等にとらわれることなく有益な議論を日々繰り広げている方々のためにもなることです(「個」を埋没させることが予定されている匿名掲示板においては特に、「一部の人」の行為による評判の下落が全体に波及せざるを得ないことになります。)。

 そのための方法としては、次のようなものが考えられます。

  1.  削除要請や発信者情報の開示請求を受け付ける窓口をきちんと設け、被害者からの電子メールや電話やFAX、配達証明郵便や内容証明郵便等を受領できるようにする。
  2.  削除要請通知を受領したら、少なくとも平日であれば24時間以内に、第三者の権利を不当に侵害するものである疑いがあるも投稿ついては削除をし、削除をしない場合には削除しない旨とその理由を要請者に返答する。
  3.  発信者情報の開示請求を受領したら、投稿の際に記入するメールアドレスに宛てて意見照会を行い、当該メールが宛先不明で返ってきたり、指定された回答期限(7日間くらい)までに説得的な反論がなされなかった場合には、その投稿によりネガティブに言及されている張本人又はその代理人弁護士からの請求であることを確認した上で、速やかにIPアドレスを開示する。
  4.  スレッド名等から誹謗中傷発言が多数投稿される蓋然性の高さが予想されるスレッドについては1日1回、それ以外のスレッドについても1週間に1回程度は投稿の内容を確認した上で、信頼に足る資料に言及することなく他人の名誉を毀損する等不当に他人の権利を侵害するものであると疑うに足りる投稿については、直ちに削除する。
  5.  第三者の権利を不当に侵害する虞のある投稿について、一般の利用者からも、電子メール等での情報提供を求める。一般の利用者から指摘を受けた投稿については、少なくとも平日であれば24時間以内に確認し、不当に他人の権利を侵害するものであると疑うに足りるものである場合には、直ちに削除する。
  6.  第三者の権利を不当に侵害する虞のある投稿を繰り返し行う利用者については、そのアクセスプロバイダに通知して、警告や退会処分等を行うように求める。
等の措置を講ずれば、「一部の悪質な利用者」たちを相当程度抑制又は排除できると思います。

 一般の利用者が積極的に5の情報提供をしてくれるようであれば、4の巡回作業の頻度を減らすことができます。各「板」の住民による「自治」が機能し、スタッフによる定期巡回が不要になっていけば、昼間常駐するスタッフ数は3〜4人もいれば十分となっていくと思います。また、削除要請や開示請求の受付窓口についても、株式会社ニワンゴ等とスタッフを共用することでコストの削減を図ることもできるかと存じます。また、各コメントにつき原則IPアドレスが表示されるようにしてしまえば、発信者情報開示請求に関する事務を省略することができます。

 そして、これを実現したとしても、「一部の悪質な利用者」以外の、匿名で「まったり」とした議論を楽しみたいだけの大多数の利用者には何等の不利益も発生しないのではないかと思います。

 最後に、むしろ「2ちゃんねる」を誹謗中傷や悪質なデマを流布する目的以外の目的で活用している多くの利用者こそ、「2ちゃんねる」を誹謗中傷や悪質なデマの流布等に悪用する悪質なユーザーを排除するよう、西村さんに要求して頂きたいと考えています。

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Commentaires

「桁が二つ違う」といわれても、2ちゃんねるって、所詮「板」が650前後しかないから、そんなにはいらないと思います。もちろん、仕事の傍らにボランティア作業でやるなら1人3板が限度かも知れませんが、8時間態勢のスタッフならもっとたくさんできます。西村さんは、日本の人口よりも少し少ないくらいの収入があるそうですから、それを1人あたり400万円くらいで割ってしまえば、2〜30人の常勤スタッフを雇えそうです。

了解いたしました。
大変失礼をいたしました…

自ブログでの元原稿の公開は、
今回は控えさせていただきたく

#別所でも書いたことがあるのですが
 元原稿と編集後の記事が違う
 という話があり
 それ以来、自ブログで元原稿を掲載しておりました…
 他意は全くございませんでした…

また何かございましたら
どうぞ宜しくご指導ご教示ご鞭撻をお願いいたします。
今後共、どうぞ宜しくお願いいたします。

 オーマイニュースの記者として提供を受けた情報を、個人のブログに載せるというのは、信用をなくすからやめた方が良いですよ。>石川さん

 といいますか、個人ブログへの転載についての許諾の意思までは一般に認められませんので、転載部分が、時事の「事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物」にあたらない場合には、著作権侵害となる危険もあります。

お世話になっております。
オーマイニュース市民記者の石川です。

オーマイニュースに記事が載りました。
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000005034
いただきました原文も自ブログで上げてあります。
http://ameblo.jp/pasosavi/entry-10024703358.html

今回は、本当にお世話になりました。
お疲れ様でございました。
今後共、どうぞ宜しくお願いいたします。

 誹謗中傷コメントの多い一部の板については、2ちゃんねる側のスタッフが定期巡回する、そうでない板については、その板の住民間で監視作業のローテーションを組む、などすれば、何とかなりそうですね。

 被害者本人またはその代理人が削除依頼や発信者情報開示請求をしたかどうかということは、削除依頼板での削除依頼では確認できませんし、削除依頼する対象を特定しその理由を明らかにする作業を「削除依頼板」という公開の場所で行うと言うことは、いわば本末転倒な状態に置かれますから、あれはクレームを受け付けるシステムとしては十分とはいえませんね。

お世話になっております。
オーマイニュース市民記者の石川です。
ご連絡が遅れておりまして申し訳ございません…

#実はノートパソコンを昨日一日使えなかったのです…
 ジュースをこぼしたわけではなかったのですが…

こちらを含めさせていただいた記事が
数日中にオーマイニュースに掲載されるかと思いますので
どうぞ今暫くお待ちください…

今回はお忙しいところをご協力いただき、
本当にありがとうございました。:-)

#お知らせいただいた某所某板の善意の方にも深謝…

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