« 「美しい国、日本」に「る」を一個挿入するだけで | Accueil | 「ドメイン名の強制競売」に関する文献(1) »

14/01/2007

刑法の予想問題(1)

 これから法学部は後期試験のシーズンですので、刑法の予想問題を1つ作成してみました。トピカルな問題が好きな先生にあたっている場合は、要注意です。

 【問】

 Aは、電子掲示板甲の運営者である。ただし、実際には、Aは大まかな方針を決めた上で、発言の削除等の実際の作業はBに委ねている。電子掲示板甲は、匿名でコメントを投稿することが可能であった。Aは、名誉毀損の被害者からの発信者情報の開示請求を受けても、これに応じないこととしていた。また、Aは、電子掲示板甲における名誉毀損発言等の削除要請は公開の掲示板でしか受け付けないこととし、また、名誉毀損発言等の削除要請がなされても、被害者が企業や著名人等である場合には削除は行わないこととしていた。また、Bは、電子掲示板甲においてどのようなコメントが投稿されているかを定期的にチェックし、スポンサー企業ではない企業が広告等を投稿していることを発見した場合にはこれを削除することにしていたが、特定人の名誉を毀損するコメントを発見してもこれを自主的に削除することはなかった(Aは、Bのこのような管理方針を知った上で容認していた。)。Aは、電子掲示板甲において、ある話題に関してのコメントの連なり(スレッド)ごとにコメント数が一定数に到達すると、程なくして、当該スレッドを電子掲示板から削除するとともに、そのスレッド内の一連のコメントを「過去ログ」として特定の電子ファイルに格納した上でウェブ上で公開することとしていたが、その際に特定人の名誉を毀損するコメントを削除することはなかった。

 Cは、電子掲示板甲において、その名誉を毀損するコメント(以下、「コメント乙」という。)を大量に投稿された。Cは、Aの電子メールに宛ててコメント乙の電子掲示板甲からの削除を要請したが、Aはこれを放置した。その後、Bは、コメント乙を含むスレッド内の一連のコメントを「過去ログ」ファイルに格納した上でこれをウェブ上で公開したが、その際にコメント乙を削除しなかった。

 Dは、電子掲示板甲が上記のように運用されていることを知りながら、電子掲示板甲のために用いられているサーバコンピュータの保有者Eに広告料を支払い、もって、AがEにサーバ利用料を支払わずとも電子掲示板甲を維持できるようにしていた。

 A及びB、Eは、名誉毀損罪の正犯(共同正犯を含む)または従犯としての責任を負うか。ただし、A、B、C、Eは日本国内に在住する日本国民とする。

« 「美しい国、日本」に「る」を一個挿入するだけで | Accueil | 「ドメイン名の強制競売」に関する文献(1) »

Commentaires

 事例問題に「恣意的」とか「我田引水」という評価があり得るとは思いませんでした。
 事例問題を作る際に、論点を論じやすくするために、現実の事案を適宜デフォルメしたり改変したりするのは、一般的には当然のこととして行われております。「C大」の先生方はそうしてはおられないのですか?

L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: 刑法の予想問題(1):

« 「美しい国、日本」に「る」を一個挿入するだけで | Accueil | 「ドメイン名の強制競売」に関する文献(1) »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31