必要な人海
最初は個人が始めたサービスであっても、また、それが未だに十分事業化できていないサービスであっても、それが外部に相当な損害を与え続けているのであれば、損害を与えないようにするために工夫を凝らすというのは当然のことです。しかも、それが人海戦術で何とかなる類のものであるならば、何とかすべきであるとも言えます。
2ちゃんねるの場合、例えば、その日のうちにコメントのあるスレッドが200あり、そのうち1スレッドあたりのコメント数が1日平均10個程度だとすると、1板平均2000個のコメントが投稿されることになります。監視担当者は1秒に10個程度のコメントを視認することができ、このうち5%程度存在する問題コメントについて削除マークを付けるのに1つあたり1秒かかるとすると、結局、平均して20個のコメントを3秒で処理することとなりますから、1板あたりの処理に係る時間は、2000÷20×3=300秒=6分ということになります。すると、約650の板の管理に必要な時間は6分×650=65×60分=65時間ということになります。すると1日8時間労働の従業員が9人いれば十分回転していくことになります。1スレッドあたりの1日平均のコメント投稿数が平均20個としても130時間で処理できますから、1日8時間労働のスタッフが17人もいれば十分管理できます。まあ、当初は誹謗中傷コメントの割合が高いままであることも予想されるので、派遣会社からオペレーターを派遣して貰って30人体制で監視体制を敷くとしても、2ちゃんねるが「誹謗中傷コメントを投稿してもすぐに削除される場所」との評判を勝ち得ていけば、誹謗中傷コメントの割合自体が減っていくことが予想されますので、監視スタッフの数は徐々に減らすことができると思われます。さらに、人数が必要だということであれば、大連あたりの事業者に監視作業をアウトソーシングして、100人規模で監視作業をすることだって可能です。
これに対しては、「祭り」などが発生すると、「1日平均20コメント」では済まなくなるという反論があるかもしれません。しかし、「祭り」発生時には特定の対象に対する誹謗中傷コメントの割合及び絶対的な個数が大きくなりますから、十分な人数をその監視に割り当てることができないのであれば、「祭り」を発生させない、あるいは急速に終焉させることが必要となります。例えば、スレッドを立ち上げる権限をスタッフに一本化した上で、同じ板の中で同一の話題に関するスレッドは、前スレッドが1000コメントを使い切ったとしても、その日のうちには立ち上げないこととする等の措置を講ずることなどが考えられます。また、誹謗中傷コメントの投稿するユーザーについては、アクセスプロバイダー経由で警告等をしてもらう、IPアドレスの開示請求には原則応ずるなどの措置を講ずれば、従前のようには、気軽に「祭り」もできなくなるでしょう。
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