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22/02/2007

ソフトウェア紛争の裁判外紛争解決手段

 ソフトウェア情報センター(SOFTIC)が、経済産業省の委託事業の一環として、ソフトウェア紛争に関する裁判外紛争解決手続き(ADR)に関するセミナー(「模擬仲裁」の上映を中心に、適宜パネルディスカッション等を盛り込んだもの)を、平成19年3月23日に行います(詳細はこちら)。

 医療紛争の裁判外紛争解決手段を模索している方々も参加されると参考になる点が多々あるのではないかという気がします。医療紛争とソフトウェア紛争には、裁判官の専門性への当事者の不信等共通する点がありますので。

 他方、私が最近多方面に声をかけている「発信者情報開示請求紛争のオンラインADR」についていえば、裁判ではなくADRであるべき理由が異なるように思います(むしろ、ドメイン紛争のオンラインADRとの共通性が高いというべきでしょう。)。

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Commentaires

 ついでにいうと、匿名で執拗な誹謗中傷を繰り返していたのが親元で暮らす無職者であることがわかった場合には直ちに賠償金全額の支払いを受けることはできないかも知れませんが、「親ばれ」することで誹謗中傷がやむこともあり、無意味ではないことが少なくありません(この種の場合、誹謗中傷を止めさせることが一番の目標ですから。)。
 
 まあ、匿名の陰に隠れて攻撃を繰り返す分には被害者がただただ泣き寝入りをするだけという世の中でずっとあり続けて貰いたいという方々にとっては、プロバイダが被害者の側に歩み寄るというのは困ったものなのでしょうね。

 一番安上がりなのは、開示請求者から開示請求があった場合には、侵害されている権利が開示請求者のものであることが確認されれば、クレーム担当者の判断ですぱっと開示してしまうことです。
 ドメイン紛争類似のADR方式だと、訴訟とは異なり、開示関係役務提供者側は必ずしも弁護士を立てなくとも済みますし、電子メールでの主張のやりとりで完結できますから、その分安上がりで済みます。

 真っ当な弁護士であれば、「想定される賠償金額とかかる裁判費用」だけではなく、「そのような虚偽情報の流布を放置することのデメリット」をも考慮して、訴訟提起するか否かについてのアドバイスをしているかと思います。これは、被告がマスメディアであろうがネットの匿名さんであろうが、一緒です。
 で、最近は、ネットの匿名さんの場合、マスメディアと違って一過性では済まないので、きちんと法的対応をしないといけないという意識が高まってきているのだと思います。
 

 なお、そのようなADR手続がない現状では、プロバイダ等は、任意の発信者情報開示に応じなかった場合には、開示請求者が泣き寝入りしなかったときには、地方裁判所に開示請求訴訟を起こしてくることになりますので、代表者または支配人が自ら出頭するか、もしくは弁護士に訴訟代理を委任せざるを得ないことになり、かつ、弁護士に委任したときの弁護士費用はプロバイダ等が負担することになります。
 

 開示請求者にとっても、まっとうな開示関係役務提供者にとっても、裁判外で安価且つ迅速に発信者情報の開示がなされた方がよいことは間違いありません。ただ、プロバイダの方々からは、訴訟外での発信者情報開示ISPの方々からは「権利侵害がなされたことが明らか」かどうかを自分たちが判断させられることについて不安を訴えられることが少なくないので、それならば裁判外紛争解決手続を利用することにより仲裁人に判断させたらいいのではないですかということです。
 仲裁にかかる費用は当面開示請求者もちであっても、例えば1回10万円くらいなら利用する開示請求者は結構いそうですので(悪質なデマを執拗に流されることによって現実社会での生活や業務に悪影響が及んでいる場合であれば、100万円以上出しても構わないとする方も少なからずいることでしょう)、コスト的には何とかなります。

 

プロバイダ責任制限法上の発信者情報開示請求紛争は、実体法上は、開示請求者(被侵害権利の自称権利者)と開示関係役務提供者との間の2当事者間対立構造であって、匿名の発信者は、開示関係役務提供者からの意見照会に応じて意見を述べることができるにすぎません。したがって、例えば、裁判外での解決手段をとることによって、開示関係役務提供者側が弁護士による訴訟代理人を立てなくとも、クレーム担当の従業員が応対することで足りることとするなどのメリットを開示関係役務提供者側に与えれば(ドメイン紛争型ADRの場合、基本的に電子メールのやりとりだけで済みますから、その可能性は十分にあります。)、積極的に権利侵害情報の流布を助長することにより一儲けたくらんでいるところでない限り、乗ってくる可能性がないわけではありません。

以前書いた文章ですが・・・

ADRが成立する要件として、一般的に紛争の両当時者が迅速経済的な調停を求めている、ことが条件になると考えられます。
その点で、匿名書き込み者の実名把握というのは、双方の合意が成立することはほぼありえなく、匿名側は秘匿を守る以外の合意はありません。これをくずすためには名誉毀損側の法的強制(つまり匿名側の処罰・敗訴による情報開示)にたよるしかありません。

下記は先生の公開条件についての過去の歴史的コメント例ですが・・・

1)このような発信者情報登録システムを採用した場合に問題となるのは、いかなる条件で登録された発信者情報を開示するのかということです。固定IPアドレスを取得するには取得者の氏名及び住所を公開することが義務づけられていることに鑑みると、原則公開(!)でもよいのではないかとも思います。
→「原則公開」ならADRはそもそも必要ないのではないかと。

2)「社会的なシステムとしては、インターネット上で批判を受けた者は、自らを公然と批判する者がどこの誰であるのかを──それが正当な批判であれ、不当な批判であれ、批判の名を借りた単なる個人攻撃であれ──知ることができるというものが望ましいのではないかと思います。」
→「正当な批判であっても知ることができる」場合もとくにADRの必要はないのではないかと。

3)「(共通IDの情報の告知について)真摯な内部告発等を保護するためには、いくつかの条件を満たした組織等に汎組織的な内部告発受付窓口としての機能を負わせ、当該組織等において一応の真実らしさを確認したときにこれを公表するようなシステムを作ることこそが必要」
→「汎組織的な内部告発受付窓口としての機能が一応の真実らしさを確認したときにこれを公表するようなシステム」は本来当事者合意を目的とするADRの主旨に、根本から反しているように思えるのですが・・・


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