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09/02/2007

「後は野となれ山となれ」路線を貫く法科大学院

 司法試験に合格して07年中に弁護士事務所への就職を目指す2200人前後の司法修習生のうち、最悪の場合400〜500人が就職先を確保出来ない恐れがあることが、日本弁護士連合会の調査などで分かった。
との報道が法曹関係者の間で話題になっています。

 とはいえ、既存の法律事務所にそれほど新人弁護士吸収能力がないことは最初からわかっていましたから、企業や国・地方公共団体が大量に新人弁護士を雇わない時点でこうなることはわかっていたのであり、3000人前倒し論とか、9000人前倒し論を声高に唱えていた財界人や研究者の方々は、弁護士資格を持った失業者が大量に出るのをそんなに待ち望んでいたのかなあと、その真意の程を訝ってしまいます(「値段さえ安ければ、20年来のつきあいのベテラン弁護士との顧問契約を解約して、いきなり独立開業した新人弁護士と顧問契約を結びますよ」という企業がたくさんいないと、価格競争にすらなりやしないのに。)。

 この期に及んでも「自校の卒業生はこんなに優秀なんだ」というアピールを法律事務所向けにしてこない、また、「自校の卒業生を法務スタッフとして雇うとこんなにお得」というアピールを企業経営者ないし人事担当者向けにしない法科大学院の態度というのは全く不可解です。まあ、ブランド力が飛び抜けている数校はいいにしても、そうでないところは、少ない採用枠に自校の卒業生を如何に押し込むかという競争に勝たないと、「あの法科大学院は、新司法試験合格率は高くても、そのほとんどが1年目から独立開業して程なくして廃業しているのよ」みたいな評判が立って、結局、生徒も2世、3世な方々以外集まらなくなってしまいそうな気がするのですが、「新司法試験さえ通してしまえば、そこから先はどうなろうとも実務家どもの責任だ。後は野となれ山となれ」路線を貫き通そうというあたり、剛毅といえば剛毅です。

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Commentaires

 少なくとも、米国等の例を見ると、「値段さえ安ければ、20年来のつきあいのベテラン弁護士との顧問契約を解約して、いきなり独立開業した新人弁護士と顧問契約を結びますよ」という企業はほぼ見られませんが、「新人弁護士をインハウスで雇う」ところはかなりあります。
 実際、インハウスロイヤーという市場においては、法科大学院卒の新人弁護士は、法学その他の4大卒と競合するのですから、「法科大学院2〜3年、新司法試験1年、司法研修所1年」という教育の時間的、費用的コストの上昇に見合う初任給の上昇に見合う、質的な向上があることを企業に対して説得できないようであれば、その法科大学院の教育は失敗だったということになります。

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