「法テラス」においては、「事前準備をした上で公判に挑む」というのは、弁護人の自己満足の範囲に属する
私は、最近国選弁護を受任していない(というか刑事弁護時代を受任していない)ので法テラス後の国選弁護報酬について気にとめていなかったのですが、改めてみてみると、「国選弁護で手抜きをしない弁護士は市場で淘汰されよ」という仕組みになっていることに気付かされます。
例えば、国選弁護を受任したところ、どうもこれは本気で冤罪っぽいということになった場合を想定してみましょう。この場合、公判期日は2〜3回では収まらないし、公判期日では朝から夕方まで証人尋問でびっしりということも十分想定されるでしょう。では、例えば、痴漢冤罪事件の第4回公判期日において、「被害者」に対する尋問を、検察側主尋問1時間、弁護側反対尋問2時間、再主尋問・再反対尋問、補充尋問等含めて1時間やったとして、弁護人の報酬はいくら加算されるかといえば、単独事件であれば2万9100円、つまり、何の準備もせずぷらっと法廷に行って反対尋問して帰ってきたとしても1時間あたり7275円、これは駅前のクイックマッサージよりは少し高いけれども、ハワイ風のロミロミ等よりはずっと安い値段です。まして、2時間の反対尋問のために10時間の準備をしたりしてしまうと、1時間あたり約2079円。派遣先企業が派遣会社に支払う報酬だって、もう少し高そうです。
まあ、クイックマッサージ並みの時間単価(1時間あたり6000円)を確保しようと思ったら、4.85時間以上はかけてはいけませんので、上記の場合、準備にかけてよい時間は0.85時間≒51分です。「被害者」の捜査段階での供述調書を精査して客観証拠との矛盾を探し出して反対尋問に向けて尋問事項メモを作る余裕などありません。つまり、「法テラス」においては、「事前準備をした上で公判に挑む」というのは、弁護人の自己満足の範囲に属するという位置づけなのだろうと思います。
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