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09/04/2007

欧米では**だ

 池田信夫さんの「左翼の最後の砦」というエントリーに、

「日本は遅れている」「欧米では**だ」というのが、戦後の左翼(および近代主義者)のマントラだった。そういう「他民族中心主義」の幻想は、あらかた崩れてしまったが、いまだに残っている最後の砦が歴史認識と地球環境だ。
との記載があります。

 もちろん、左翼ないしリベラルな方々は、少なくとも主観的には「より素晴らしい社会を実現したい」という心情がありますから、現在の日本よりも素晴らしい社会モデルが欧米にあれば「日本は遅れている」「欧米では**だ」という言い方をすることはあると思います(例えば、「アメリカでは、Bob Dylanの楽曲もJames Bluntの楽曲もiTunes Storeでダウンロードすることができるのに、日本ではできない。」とか。)。ただ、それを「他民族中心主義」と捉えるのは間違っているように思います。むしろ、欧米等で実現している、我々をより幸せにしてくれそうな社会システムを日本にも導入してほしいと思うからこそそういう言い方をするわけですから、それは、まさに「自分たちのコミュニティ中心主義」の表れであるというべきでしょう。

 「日本は遅れている」「欧米では**だ」というのは、最近はむしろ右派において目立つような気がします。「欧米では、何度も憲法改正が行われているのに、日本は遅れている」とか「欧米では、直間比率が逆転しているのに、日本は遅れている」云々という話は、むしろ右サイドから聞かされた話です。

 しいて違いがあるとすれば、右派勢力が「欧米では**だ」という言い方をするときは、現在の日本よりも普通の人々の幸せを妨げるような社会システムを実現しようとする際にしばしば活用されるということでしょうか。

 いやまあ、確かに欧米では戦後に何度も憲法の改正がなされていることは事実なのですが、自民党の改正私案に見られるような、基本的人権の制約を広範囲に認める方向での改正はほとんど行われていないし、まして旧世代の道徳律を憲法に盛り込んで新世代に押し付けるような方向での改正は行われていないと思うのですが。

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Commentaires

池田先生も「アメリカのメディアは YouTube と契約を進めようとしているのに、日本は YouTube を拒絶するカルテル体質」(↓)と表現されたことはある(というか少なくない)ので、「欧米では**だ」という括り方そのものを批判しているつもりではないのでしょう。そのような表現上の突っ込みどころは散見されますね。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d4b1bce3155d914ffb5aca40ad90eaa7
ちなみに、iTunes の品揃えについていえば、米 iTunes Music Store で日本のヒット曲(↓)がどれだけラインナップされているのだろうかと推察すると、たんに需要と供給のバランスによる力の入れ具合と思います。そもそも日本の音楽配信市場における iTMS のシェアはほんの数%のはず。CD の並行輸入と同じく、米iTunesの日本からの利用が妨げられなければよいのでは?(利用していないので、実際にどうなのかは知らないのですが)
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/
EMI の DRM フリー化などもそうですが、こういう意見(↓)が堂々と主張されている風土を思うと、都合のいいところだけ“欧米感覚”を取り入れよと主張しても、話は進まないでしょうね。
http://blogs.itmedia.co.jp/kokoroe/2007/04/drm_0c43.html

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