学校裏サイトの管理人の書類送検
「『学校裏サイト』で中学生の実名を挙げた中傷書き込みを放置したとして、大阪府警が管理人の男を書類送検した」というニュースがITMediaで取り上げられていました。
「学校裏サイト」という名称から、一定の割合で実在の生徒や教師を誹謗中傷する内容の投稿があることを織り込み済みであることが予想されますし、実際、特定の女子生徒の実名を上げての誹謗中傷発言の削除を学校側から要求されてもこの要求をはねつけているわけですから、保護者から被害届を受けた警察が書類送検をするのは当然のことといえます。この案件で警察が保護者に対して、「あなたのお嬢さんが我慢すれば全て丸く収まるのですよ。だから、こんな被害届など受け取れません。」なんてことを言いだしたら、この保護者及びその周囲の人々は警察は頼りにならない、警察はアングラ組織の味方なんだと思うことでしょう。
落合先生は、この事件との関係で、
刑事罰も、社会統制の1つの手段である、という見地に立って、可能な限り、他の制裁手段を選択し、それではまかなえない場合に、必要かつやむを得ない限度で刑事罰を選択、発動する、という謙抑的な取り扱いが必要でしょう。
と 仰っているのですが、 プロバイダ責任制限法が妨げとなって、ネット上の誹謗中傷に対して民事的に救済を受けることが非常に困難となっている現在、刑事手続きに頼らざるを得ない状況が増大していることを軽視してそのような主張をしてみたところで、「では、どうしろと?」という疑問に答えることはできないでしょう。
社会がますます複雑化し、人々の考え方も多様化する中で、かつてはなかったタイプの紛争が増加の一途をたどる現状にありますが、持って行き場のない紛争は、警察へと持ち込まれ、警察が一種の「最終処分場」に無理矢理させられている傾向があります。それは、警察にとっても不幸なことであり、そういった現状が、警察の貴重な各種リソースを拡散させ有効に機能できない状態に追い込んでいることにもなっていますが、それはともかく、何でもかんでも警察へ、怪しからん奴は刑事罰を、という行き方が、果たして妥当なのかという問題意識は必要でしょう。
という落合先生の一般論は間違っていないのかも知れません。しかし、その解決手段として、「持って行き場のない紛争は、被害者が、泣き寝入りしたまま墓場まで持って行くべき」とするのは法治国家の否定であって、 我々が採るべきものではありません。インターネット上での誹謗中傷等の紛争に関して警察の負担を軽減するためには、誹謗中傷発言を投稿した人物のトレーサビリティを高める工夫をしたり、損害賠償や謝罪広告等まで求めうるようなADRをISPやブログ・掲示板事業者等が作り上げたりするなどの工夫を、これらの事業者等が中心となって構築する等すべきなのではないかと思ったりします。
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