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12/04/2007

民法772条

 朝日新聞の報道によれば、

 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の規定を議員立法で見直そうとする与党プロジェクトチーム(PT)の動きに対し、長勢法相は6日の閣議後会見で「性道徳や貞操義務についても考えないとならない」と述べた。法務省は同日に一部見直しをする民事局長通達案を正式発表。同省側は「通達を出せば立法は必要ない」と対決姿勢を強めている。

 民事局長通達案は「離婚後に懐胎したことが証明できた場合」に限って「現夫の子」と認める案。

とのことです。

 ネット上では、右派が現実主義的であるかのごとく主張する人々の声が大きいようですが、この例を取っても、むしろ右派の方が理想主義的というか非現実的であるように思います。

 だって、夫との婚姻関係が実質的に破綻した後正式離婚が成立する前に別の男性との間に子供ができることって、「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する民法772条の規定があろうとなかろうと、少なからずあるわけです(実際、民法772条の規定がある現在において、そういう事態が発生しているからこそ、法改正の必要が叫ばれているのです。)。そうである以上、立法者は、そういうふうにして生まれてくる子供がいることを前提に考えなければいけないわけです。もちろん、「親子関係の本質はDNAの継承ではなく、法的に承認された『家』の継承である」と考えて、妊娠時点での母親の婚姻関係を重視するという見解もあり得ないわけではありませんが、長勢法相の反対論はそうではありません。「婚姻関係が破綻をしていても、正式に離婚が成立するまでは、妻は貞操を守るべき」という古くさくかつ片務的な道徳観を国民に押し付けることに熱心なだけです。そこでは、「どちらの男を父親とするのが子供にとって良いことなのか」という観点は一切見られません。

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