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10/05/2007

「テロ」という言葉の希薄化を推し進める安倍首相

 報道によれば、長崎市長銃撃事件の被告人に安倍首相の秘書が脅されていたとの週刊朝日の報道に関して同秘書が朝日新聞社に対して4300万円の損害賠償などを求める訴訟を提起したことを受けて、安倍首相は、「全くのでっち上げで捏造だ。いわば言論によるテロではないかと思う。報道ではなく政治運動ではないか」と激しく批判したとのことです。

 それが「全くのでっち上げで捏造」だいうのであれば法廷外でとやかく言うより法廷で解決してしまった方がよいと思うので訴訟を提起したことについてはどうということも思わないのですが、「いわば言論によるテロではないかと思う」のはいかがなものかと思うのです。安倍首相は、「テロ」という言葉を安易に使いすぎるのではないかと。

 テロ(リズム)というのは、「一般的に心理的恐怖心を引き起こすことにより、特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力行為のこと。またはその手段を指す。」(wikipediaより)わけですが、誤解を招く見出しを付けることや捏造報道をすること自体は、「一般的に心理的恐怖心を引き起こすことにより、特定の政治的目的を達成しようとする」ものではないし、この報道により、安倍首相や一般市民が週刊朝日や朝日新聞社を怖れてその心理的支配下におかれるということは想定し得ません。従って、これらの報道内容が仮に安倍首相が言うとおり「全くのでっち上げ」だとすれば名誉毀損という意味で違法なものとなるにせよ、これを「言論によるテロ」と表現するのは間違っていると言わざるを得ません。

 しかも、安倍首相は、「テロとの戦い」を国民に呼びかける立場にいる(呼びかけなければいけないとはいいませんが、呼びかけたいのでしょうし)わけで、そういう立場にいる人が「テロ」という言葉の持つ強さを「政敵による言論を用いた(適切ではない)攻撃」という意味合いを含むものにまで希薄化してしまうというのはいかがなものかと思います。

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Commentaires

新製品発表会で「この新製品は、激しい市場競争に打ち勝つ“新兵器”である」と言った場合に、戦争が起きかねないと心配する記者はいないでしょう。
「いわば」と言っていたのなら、「いわば」=「たとえて言えば」(MSN辞書より)ですから、たとえ話をしただけでしょう。

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