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14/06/2007

「多少のコストを覚悟」させたら優秀な書き手は逃げてしまう

 ekkenさんは「荒らしを許容するわけじゃないけど、誰にでも書き込みができるスペースを設けている以上、迷惑な書き込みを削除するというような多少のコストは覚悟しておいたほうが良いだろうなぁ。」と仰るのですが、実際には、そんな覚悟を求められるくらいならばブログでの情報提供などしないという方向に、特に質の高い情報を提供できそうな人々が向かってしまうだろうということは容易に想像がつくのであって、現実に日本のブログ界はそういう方向に向かっています(ネットでの匿名発言に寛容な佐々木俊尚さんですら、もはやコメント欄付きのブログは持っていないし、コメント欄なしのブログですら久しく更新していません。)。不当な個人攻撃を執拗に受けている人々に「スルー力が足りない」だの「せっせとコメントを削除すればよい」だの「コメント欄を閉じればいい」だのと要求するのは、ネットのあちら側の甘えでしかないようにすら思えます。こんな状態で、「ネットがあれば新聞はいらない」なんて、なんて質の高い情報の要求されない世界に住んでいるのだろうと感心してしまいます。

 結局、今の商用ブログ環境だと、匿名の陰に隠れて他人のブログのコメント欄でブログ主等を執拗に個人攻撃することを恥じ入ることがない人々や集団が事実上支配することとなり、彼らのの知的レベルにブログ界が長期的に収斂してしまうことが予想されるのであり、情報サービスとしては、メディアを飲み込むどころか、メディアに鼻で笑われるようなレベルのものにしかならなくなります。

 「匿名の陰に隠れることができるブログのコメント欄では、こんな僕でも、あんな人やこんな人に、こんなにすごいことが言えるのだ」という高揚感を覚えてしまうと、その既得権益を手放したくないという気持ちになるのは不思議なことではないのですが、でも、彼らって、ブログの情報材としての価値を高めていないように思われます。

【追記】

NOV1975さんから、

別にそんな人にブログで書いてもらう必要もないんじゃ?他に書くとこがあって、そこで満足しているなら。ネット上の発信元はそもそもブログである必然性すらない。そんな人に配慮するために存在するわけでもない

というブックマークコメントをいただきました。この辺はスタンスの問題なのですが、私は、各分野の専門家によるレベルの高いエントリーがブログにアップロードされ、そこでその分野に興味を持った素人との交流や同じ分野を専門とする人々との高度な議論がなされるのをむしろ読みたい反面、匿名でなければ言いたいことが言えない人々が匿名であるが故に傍若無人にブログ主を中傷しブログ主を困惑させる様子は特に見たくはありません。ブログ主に対しては誹謗中傷を受け続けることすら覚悟させる一方、匿名コメンテーターにはそのコメントを投稿したことにより受けるべき社会的評価の低下や法的責任すら回避させてあげる現在のシステムでは、「各分野の専門家によるレベルの高いエントリーがブログにアップロードされ、そこでその分野に興味を持った素人との交流や同じ分野を専門とする人々との高度な議論がなされる」ことがなかなか期待できないのが残念です。

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