« コメント欄におけるネガティブコメントの正当性の基準 | Accueil | 私的制裁を誘発するプライバシー情報の公開 »

24/06/2007

システム開発は慎重に

 年金の名寄せ問題というのは、そもそもはシステムが稚拙だったことが問題なのに、システム開発者の責任を問う声はメディアでは小さく、稚拙なシステムの下での作業を強いられた現場労働者を非難する声ばかりが大きく取り上げられるのは、マスメディアにいかなる意図が働いているのでしょうか(それとも、本当に彼らは何が問題なのかわかっていないのでしょうか?)?

 システムのコンピュータ化を受注した企業としては、発注先の従前の業務フローを十分に聴取した上で、発注者側の担当者と共同して要件定義等の作業を行っていくわけですが、その際、発注者側の担当者はどこにヒューマンエラーが発生しうるのかを十分には理解していない場合が多いので(人力システムだと、作業が遅い代わりに、多少のヒューマンエラーは吸収してしまうので、従前の人力システムのエキスパートが、コンピュータシステム化した場合に吸収しきれなくなるヒューマンエラーのポイントを自主的に過不足なく指摘することを望むのは無理があります。)、受注側の担当者が、想定されるヒューマンエラーを洗い出した上で、それをシステムで吸収するなり、業務フローの一部変更を進言するなりの措置を講ずるべきです。

 今回の問題でいえば、例えば、漢字で記載された氏名を仮名で入力する場合に、複数の入力者間でどのように「仮名」を統一的に入力させるか(あるいは、特定の人名についての仮名の充て方が入力担当者によってずれる場合に、このずれをいかにシステム的に吸収するか)という問題は、当時のマシンパワーの問題から人名を仮名で入力するという方針を採用した時点で、容易に想定できたことですから、システムの受注者としては、そのような問題があること並びにこれを解決するための手段を発注者の担当者に提示すべきだったと言えるでしょう。

 この問題を労組の問題にしている方々は、仮に社保庁の従業員は労組への加入が禁止され、女工哀史を彷彿させるような長時間休みなしの入力作業を無給でやらされていたら、人名にどのような仮名を充てて入力するかについて入力担当者の裁量に任されているシステム化において、入力担当者は違えどの同一人についてどの仮名を充てるのかという点に関し、一切の齟齬が生じなかったであろうと想像しているのでしょうか?

« コメント欄におけるネガティブコメントの正当性の基準 | Accueil | 私的制裁を誘発するプライバシー情報の公開 »

Commentaires

Poster un commentaire

Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.

(Ne sera pas visible avec le commentaire.)

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: システム開発は慎重に:

« コメント欄におけるネガティブコメントの正当性の基準 | Accueil | 私的制裁を誘発するプライバシー情報の公開 »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31