善良なプロバイダからの相談
奥村弁護士は、次のように述べています。
リンクとか掲示板管理者の逮捕で、善良なプロバイダからの相談が多くなっています。
以前、何かのガイドラインへのパブコメ募集の際、どうも対応が鈍いというか緩いので、「そんなに甘くないですよ。判例状況説明しましょうか?」と申し出たら、「わかってるから結構です」という回答でした。未公開の裁判例も多いし、理論構成も右往左往なのに。
心地よいアドバイスをして上げる方が商売的には有利かなあという気がするのですが、私も、ファイルローグ事件では悲しい思いをしていますし、地上の法律の及ばない無法地帯を作るためにインターネットが存在するという考え方には与しませんので、違法行為の蔓延を食い止めるためにできる限りのことをすべきだとアドバイスをした上で、技術的、費用的にどこまでの対策を講ずることが可能かを検討していくことになります。警察の人的リソースを考慮すると、所詮は「一罰百戒」的な摘発をするくらいしかできないとは予測しますが、「一罰」が自社に降りかかってきたときのダメージはとてつもなく大きいのです。
「プロバイダ等は利用者による違法行為の蔓延を放置していても法的責任を負わされるべきではな」く、また、「利用者が匿名で情報発信を行う権利は最大限守られるべきだ」と主張さえすれば、プロバイダ等が地上の法律が及ばない場所を作り上げることを司法府や立法府が認めてくれるというのならば、あとはその結果もたらされる悲劇に知らん顔できる図太ささえあれば済む話になるのでしょうが、現実社会がそこまでネットに譲歩しなければならない理由を誰も説得的に説明できていないような気がします。
« エントリー投稿のIPアドレスを把握しないブログ事業者 | Accueil | 運転免許の更新 »
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires