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11/06/2007

人が余っているのに大量採用計画を前倒しせよって!!

 6月8日付の週刊法律新聞を見ていたら、政府の規制改革会議が5月30日に規制改革第1次答申を決定したこと、その中で、「現在の目標である平成22年ころまでに合格者年『三千人』を前倒しして達成することの検討などを求めている」ことなどが報じられていました。

 現在程度の合格者数ではなおも需給が逼迫しているという状況が判明したというのであれば「合格者年『三千人』を前倒し」することを検討するのは合理的だと思います。しかし、現実はその正反対であり、現在の合格者数ですら大量の失業者が生まれそうだという状況下にあります。そのような状況の下で、「合格者年『三千人』を前倒し」することを検討することを求めるセンスというのは私には信じがたいところがあります。規制改革会議の議長が会長を務める日本郵船では、仕事がなくて新人を配属させる部署がない状況下でも、大量採用計画を前倒しして実施するのでしょうか。

 また、上記答申には「チェック機能をマーケットに委ねられるように必要多数の資格者を社会に送り出し、競争的環境を作り出すべきである。これにより、併せて法曹資格者が必ず法曹職に就かねばならないというドグマからの脱却を図り、リーガルマインドを持つ多様な人材が多様な職業に就く素地も生み出すことができる」としているそうなのですが、法科大学院の卒業生や新規法曹資格取得者を採用する予定のない国内企業が殆どであることが各種調査によりはっきりした現時点において、このような建前論を振りかざしてみても、空しさばかりが募ります。

 といいますか、Wikipediaによれば、日本郵船は、「「郵便汽船三菱会社」(日本郵船の前身:国有会社であった日本国郵便蒸気船会社と三菱商会が合併して設立)は、アメリカやイギリスの名門海運会社に握られていた日本の航海自主権を、政府の援助や三菱銅山の利益を元に、激しい値下げ競争を行うことで手に入れた。/その後、三井系国策会社である「共同運輸会社」とさらなる値下げ競争を行ったことで、海運業の衰退を危惧した政府の仲介で両社が合併し、日本郵船会社が設立」ということで、政府の力で設立され、大きくなったという側面が強い会社なのに、何でそんな市場競争万能論を振りかざせるのか不思議です。

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