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16/07/2007

誹謗中傷の内容が荒唐無稽であることは被害者にとって救いにはならない

 いじめを含むハラスメントって、そりゃ、外部から見ればハラスメントをしている方が不正義だし、おそらく外部の人はそう思ってくれているのだろうという意識は被害者の側にもあるでしょう。いじめられていることを子供に打ち明けられた家族だって、「お前は全然悪くない」くらいは言うでしょう。でも、親が「うちの子供はこんなことをされています。何とかしてください」と学校にいいに行ったときに、校長先生が「どうせあんな奴らの言っていることなど周囲の人間が真っ当だと思ってやしませんよ。だから、○○くんが気にしなければ済むことですよ。どうせどんな対処をしたっていじめを根絶することなんてできないんですから、我々はいじめを止めさせるなんて無駄なことをする気はありません。おかあさんが、「お前は悪くない。気にすることはないんだよ」といって○○くんをしっかり抱きしめてあげてください」といって何らの対策も講じないこととしたら、いじめ自殺の悲劇を回避できるのかというと、仮にその児童の母親がその通りのことを実践したとしても、かなり疑問です。

 ハラスメントについて「強くなれ」といわれて強くはなれないのが現実だからです。だから、私からみると、被害者に強くなれと要求することでハラスメント対策を終えてしまうというのは、非常に非現実的であるように思えてなりません。それよりかは、ハラスメントが行われていることが発覚したときにこれを継続させないような場の運用を行うこと及びハラスメントを行うことに自制心が働くようにハラスメントを行ったものに対して現実的に制裁が加えられるようなシステムを講ずることの方がよほど現実的です。

 そのためには少なくとも確実に法的な制裁が加えられるようにトレーサビリティの低い匿名・仮名の使用は禁止し、できることならば(法的制裁はコストが高いので)ハラスメントについては社会的制裁が加えられるようにトレーサビリティの高い実名等を用いることを原則とすることが求められます。残念ながら、匿名の陰に隠れることで、自分の気に入らない人間に対して、ハラスメントを行って私的制裁を加えることを「ネットの本質」だと勘違いしているユーザーが多い日本のネット環境の元では、もはややむを得ないのではないかと思うのです。確かに、実名が原則だと、度量の狭い自動車メーカーに勤める従業員が自動車の性能等を評論するブログ等を立ち上げるのは勇気がいるようになるかもしれませんが、そのようなブログ等を相当の覚悟なしでも解説できるようにするというメリットは、ネットで横行している匿名さんたちによるハラスメントについて被害者に泣き寝入りを強いる以外の有効な対策を講じさせないことによるデメリットを凌駕するものではないように思われてなりません。

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