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11/07/2007

同定に必要な情報

 ekkenさんは、次のように述べています。

だけどちょっと待って下さい。この考え方では、メディアに登場する著名人(作家、政治家、タレント、スポーツ選手など何でも良い)以外の大部分のネットユーザーは、たとえ本名を使っていようが匿名の扱いになるのではないでしょうか。

 これは僕も含めて多くの人が既に指摘していることだけど、田中太郎などのありふれた名前(実在する田中太郎さんに何ら他意はありません、念のため)の人物が本名を使っていようとも、それをオフラインでの人格と結びつけるのは困難です。名前の他にも詳細な個人情報を明かさない限りは、どこの誰とも分かりません。いや、彼と近しい人であれば、その書き込み内容から判別する事は出来ると思うけど、他の多くのネットユーザーにとっての田中太郎は「ネットで本名を使っているらしいブロガー(あるいはコメンテーター)」という認識でしかないのです。

 しかし、それは違うように思います。

 確かに、実名を述べるだけで現実社会の人格とほぼ同定されるのは小飼弾さんのような珍しい名前の持ち主に限定されているでしょう。だから、私たちは、現実空間で自己紹介を行うにあたって、実名にプラスアルファして、個人の特定に資する情報を付加します。別にそんなに詳細な個人情報をいきなり初対面の相手に提供する人は多くはないですが、何らかのディレクトリ的な情報を初対面の相手に提供するのは一般的です。別に「メディアに登場する著名人」であろうとなかろうと関係はありません(著名人の場合、顔写真を掲載するだけで同定できるという違いはありますが、顔写真を出さない場合には、特殊な氏名でない限り、容易に同定されるためには何らかのディレクトリ的な情報を提供することが必要です。)。実際、英語圏のブログを見ていると、プロフィール欄に相当量のディレクトリ的情報を掲載している例は枚挙に暇がありません。

 また、そのようなディレクトリ的情報が明示的に付加されない場合にはありふれた実名は意味がないのかというと、確かに訴訟等により法的責任をとらされるリスクが増加しないという意味では効果が乏しいとは言えますが、彼に近しい人に彼のネット上での活動が知られてしまう可能性が高まるとは言えるわけで、そのことは、端から見て恥ずかしいハラスメントを行うことを躊躇させる要素ともなり得ますので、意味がないとは言えません。

 もちろん、共通IDシステムなどで、住所等の詳細な個人情報は必要なときに開示されるシステムを用意しておくことが望ましいことは間違いないのですが、現状のシステムの下でも、特に相手を批判したりする場合には、自分を同定するのに役に立つ程度の情報を相手が容易に知りうる状態に置く程度の堂々さは、日本のブロガーに求めても良いのではないかと思います。

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Commentaires

 私は、弁護士であることや、特定の事件の代理人であることを、ネット上の発言と結びつけられて批判されることは覚悟していますけど。

 

自らの所属を明らかにして発言する人に対して、所属先の立場での発言なのだと決めつけられたり、会社の見解を求められたりして、「個人という立場」が否定されてしまうような状況では、発言を個人的なものだとみなしてもらうために所属を明らかにしなかったり、ハンドル名を使う必要があるかもしれませんね。

もうひとつのコメントが、なかなか公開されないのはなぜでしょうね。

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どうやら小倉弁護士がネットコミュニケーションに求めているのは、ネットを離れたコミュニケーションと同質のものである事がハッキリしてきたわけですが。 la_causette: 同定に必要な情報 小倉さんがネットにオフラインと同じ質のコミュニケーションを求める事については、特に否定するものじゃないのですけど、小倉さんにとっては残念な事に、多くのネットユーザーはそうは思っていないわけでして。 そして彼らは、決して「匿名の卑怯性を利用するため」に、プロフィールを隠しているわけでもないと思うのです... [Lire la suite]

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「同定に必要な情報」(la_causette)に、以下のようなコメントを投稿しました(7/11深夜)。「ネットで発言する人が自営業者だけしか残らないのでは面白くない」というコメントが必要でしょうか?私は勤務先と明らかに異なる(あるいは損失となる)見解を表明したり、勤務先批判を公にすることはありませんが(←必要なら社内でやるので)、私の発言により“私自身”が批判されることは覚悟しています。一方で、個人的意見を表明するためにいちいち勤務先の許諾(お墨付き)を取ろうとは考えていませんし、そのようなことを強... [Lire la suite]

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