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11/07/2007

他に対処方法が見あたらない以上、同定性の問題は重要

 匿名だからとって、匿名でなければできないような個人攻撃や誹謗中傷、ストーキング行為等を行っていなければ、匿名の卑怯者と蔑まれることはないわけですし、匿名だからといってそういう卑劣な行動に踏み出す人がごくまれにしか見られないのであれば、ネットの匿名性が問題とされることもないのですが、現実には、匿名でなければできないような卑劣な行為を行うことによって、自分の意見と異なる意見をネット上から封殺しようという方々は後を絶たないので、ネットの匿名性が問題とされるのです。

 韓国で施行されたネットの実名登録制にしたって、匿名の卑怯者たちによる個人攻撃の被害が放置できないほどに大きくなってしまったために、窮余の一策として導入されたのであって、韓国の政治家だって、韓国の匿名さんに自制心があれば、そんなことはしたくはなかったでしょう。

 韓国の制度は実名登録制とは言ってもとりあえずは実名が表示されるわけではないので、社会的制裁を慮っての自制は期待できず、これが実効性を有するかどうかは、被害者が採算を度外視してでも泣き寝入りせずに法的措置を講ずることが一般化するか否かにかかっており、それゆえ、実効性を有しないおそれは十分にあるとは思います。とはいえ、何かをしなければ、どんどんエスカレートするだけのことです。

 ekkenさんには申し訳ないのですが、ekkenさんのエントリーを読んでも、「では、この現状をどうするの?」というのが全然見えてこないのです。「誹謗中傷されたくなければコメント欄を閉じればいい」ったって、誹謗中傷ははてなブックマークでだってできるし、特定人を個人攻撃するためにネット上のキャラクターを一つ作ってそのキャラクターにブログを一つ持たせたっていい、あるいは電子掲示板で特定人を個人攻撃するためのスレッドをずっと維持していたっていいわけで、結局、特定人を誹謗中傷する人間を白日の下に晒す以上の対抗策って当面見あたらないのです。

 もちろん、匿名で特定人を誹謗中傷することを厭わないような人々の気に障ることはネット上でも現実社会でも言わなければいいのだという意見もあるとは思うのですが、それでは、「俺たちの気に障ることを言ったら荒らしてやるぜ」という脅しに多くのブロガーが屈するネット社会というのがそんなに好ましいものなのかというと私には大いに疑問です。

 「匿名ではあるが卑怯なまねはしないので匿名性を奪わないでほしい」という方々は、匿名の卑怯者による執拗な人権侵害について被害者に泣き寝入りを求めたりこれを回避するために被害者に義務なきことを行うことまたは権利の行使を控えることを要求するのではなく、匿名性の保障を高度に保障しつつ匿名が卑怯な行為に悪用されることを回避するための方策を模索すべきなのではないかと思うのです。

 残念なのは、「私の匿名を奪おうとするのはけしからん!」とただ既得権にしがみつくばかりで、ネットの匿名性のもたらす弊害を除去するために、匿名発言者の側で何ができるか、又は、システムの側にどんな対処を求めようか、という議論が殆ど見られないことです。

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