« 「受忍限度」ではまだ納得しないでしょうか?>otuneさん | Accueil | 飲酒運転について「被害者が気にしなければ済む」という人はいない »

13/07/2007

「被害者が気にしなければよい」との呪文で被害者をどう防備するの?

 Sirokuroさんから、トラックバックを頂きました。

しかし自分は、未来の被害者を無防備のまま公衆の面前に放り出すつもりは更々御座いません。

 小倉先生は「被害者が気にしなければ済む」がお嫌いのご様子ですが、つまり小倉先生は被害者は「無防備であってしかるべきだ」と仰るのでしょうか。

 無防備でも安心して発言できる場を整えようとする心構えは大変素晴らしく思います。

 しかし理想ではなく「今できること」を考えるのも大事なのではないでしょうか。

 「加害行為を防止なんかしなくとも、被害者が気にしなければ済む」と言ってのけることが未来の被害者の防備につながるのでしょうか。もしそれが本当であれば、教育現場としてはとても楽です。ホームルームの時間にでも、「いじめられても、被害者が気にしなければ済みます。クラスメートからどんなに酷いことを言われても気にしない強い人間になってください」と諭すだけで、いじめ対策は終了です。企業の総務・人事部としても楽ちんです。研修の際に、女性従業員に対して、「セクハラをされても気にしなければよい」ということを教え込めば、セクハラ対策は終了です。いじめをなくす、セクハラをなくす等という困難な作業に立ち向かう必要がなくなります。もはや、すべてのハラスメントはこれをなくしたり減らしたりする努力をする必要はありません。すべきことは一つ。「何をされても気にするな」と教え込むことだけです。

 でも、実際には、いくら外野の人間がお気楽に「気にしなければ済むことだ」といっても、気にせずにはいられないのが人間です。むしろ、執拗な嫌がらせを受けているのに、「お前が気にしなければ済むことだよ。そんなことでみんなの手を煩わせるなよ」みたいなことを言われて、苦しい胸の内を打ち明けることすら許されないような雰囲気作りを行い、かつ、その執拗な嫌がらせを受けている状況が未来永劫続くような絶望感を与えていけば、少なくない人は自ら死を選んだり、精神障害を起こすことにより精神的な苦痛から自らを解放する道を選ぶことにもなりそうです。

 で、加害行為を減少させる努力をせず、単に「被害者が気にしなければ済むことだ」と表明してみせることによって、被害者はいかなる意味で防備されるのでしょうか。

« 「受忍限度」ではまだ納得しないでしょうか?>otuneさん | Accueil | 飲酒運転について「被害者が気にしなければ済む」という人はいない »

Commentaires

Poster un commentaire

Les commentaires sont modérés. Ils n'apparaitront pas sur ce weblog tant que l'auteur ne les aura pas approuvés.

(Ne sera pas visible avec le commentaire.)

TrackBack

» RE: 「被害者が気にしなければよい」との呪文で被害者をどう防備するの? [SiroKuroPage]
で、加害行為を減少させる努力をせず、単に「被害者が気にしなければ済むことだ」と表明してみせることによって、被害者はいかなる意味で防備されるのでしょうか。 la_causette: 「被害者が気にしなければよい」との呪文で被害者をどう防備するの? いじめられっ子に本当に... [Lire la suite]

» 従業員のブログをどう扱うべきか [労働報務 blog]
http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/07/post_cc5b.html 上記の記事ですが、こういった問題について、従業員が加害行為を行うことも十分予想されますから、 企業も管理責任という観点から看過できない問題でしょう。 特に、加害者の行為態様によっては、企業側..... [Lire la suite]

» Discommunicative Communication [SiroKuroPage]
http://d.hatena.ne.jp/SiroKuro/20070712/1184259684#c の小倉先生のコメントに関して簡潔に。 la_causette: 「被害者が気にしなければよい」との呪文で被害者をどう防備するの? に対する追加の返信も含めて言及。 「被害者が気にしなければいいことです。だから、先生は... [Lire la suite]

» 小倉さん、それでもスルー力は必要ですよ [すちゃらかな日常 松岡美樹]
 アスキーのウェブ媒体「ASCII.jp」に、「スルー力」について書きました。 ■松岡美樹の“ネットメディアの心理学” 「小倉さん、それでもスルー力は必要ですよ」(ASCII.jp)  弁護士の小倉秀夫さんとブロガーのekken(えっけん)さんが、ブログに書き込まれる誹謗中傷や嫌がらせのコメントについて論争している。興味深い議論だったので、論争の経緯やポイント、私自身の意見をまとめた。  私は荒らし対策にスルーは有効だと考えているので、その立場からの主張だ。攻撃する側、される側の心理や、スル... [Lire la suite]

« 「受忍限度」ではまだ納得しないでしょうか?>otuneさん | Accueil | 飲酒運転について「被害者が気にしなければ済む」という人はいない »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31