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22/07/2007

真っ当な神経の持ち主に参加を回避させるシステムに敢えてする意味がわからない。

 確かに、まともな神経の持ち主はブログなんか開設しないということにすれば、コメントスクラムにより精神を傷つけられることはなくなるでしょう。ただし、「サイバーいじめ」でよく行われているような、誰かが自分の名前を騙って自分の社会的評価を低下させるようなエントリーを書き続けたり、あるいは、誰かが自分を誹謗中傷したり悪質なデマを流布したりすることによる精神的並びに経済的な損失を回避することは、ブログを開設しないことによってはできません。私たちの実名を含む個人情報は、普通に生きていると、かなり多くの人に把握されているため、自らネット上でこれを公表しなくとも、現実社会で自分のことを知っている人々によって、ネット上に持ち込まれる危険があるからです。結局、「まともな神経の持ち主はブログなんか開設するべきでない」ということを社会のコンセンサスにすることによって回避しうる害悪は、コメントスクラム等程度だということが言えます。

 あるいは、「ブログ上に書かれていることなど全く信用するに値しないし、そのようなものを見ること自体社会人としての嗜みに欠けることである」というコンセンサスが社会の間に醸成されていけばよいのかもしれません。しかし、そうしてまでブログ環境まで「2ちゃんねる化」させる意味がどこにあるのか私にはよくわからないです。

 そんなことよりも、ネットの実名化を推し進めることによって、誹謗中傷やデマの流布や嫌がらせを行うことのリスクを現実社会と同程度に高めることにより、そのような行為を抑制していくことの方がよほど現実的です。CONCORDEさんは、「未来にわたって絶対の安全が保証される」のでないと実名での参加ができないようなのですが、私たちの大部分は、「未来にわたって絶対の安全が保証される」わけではない現実社会において、社会的制裁や法的制裁が実効的に機能することにより相当程度抑制される前提のもとで、実名を含む様々な個人情報を様々な人々に提供しつつ社会生活を行っています。「『未来にわたって絶対の安全が保証される』までは、私は実名を含む個人情報は一切提供しない」といわれても、そのような人と関わり合いを持つとその人により犯罪行為や不法行為等がなされたときに十分な対処を行うことができない危険が高いので、比較的まとも度の高い社会ではむしろそのような方にお引き取りを頂くことでしょう。

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