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09/07/2007

神頼みの新自由主義

 「5号館のつぶやき」さんが、次のようなことを書いています。

 基本的には、何年もポスドクを続けさせるということは、研究者として育てているということです。それなのに、その後で研究職はないよというのは、裏切り行為以外のなにものでもないということが再確認できました。その裏切り行為の総元締めをしているのは、日本の科学および教育政策担当者であると思うのですが、責任者は誰も出てきませんでしたし、それを強く追求する番組にもなっていなかったと思います。

 とりあえず、生まれてしまった大量のポスドクと水ぶくれしてしまった博士後期課程をどうするのかという政策担当者の声は是非とも聞きたかったのですが、出てこなかったということは、自分たちは何もしないという答なのかもしれません。

 私は、国も民間も含めて博士がどのくらい必要なのか、ポスドクを経験した研究者がどれくらい必要なのか、そうしたことをはっきりと把握した上で、大学院および博士研究員をどうしていくべきなのかという議論が必要だと思っていますが、そういう議論は中央教育審議会や「教育再生会議(笑)」で行われているでしょうか。

 文部科学省は、法科大学院制度でも同じ過ちを繰り返しています。少なくとも学部卒業後、最低でも2,3年かけて法科大学院を卒業させ、卒業後に新司法試験を受験させ、さらに司法修習を受けさせる、というのは法曹として育てるということです。それなのに、それだけの関門を全てクリアして法曹資格を取得しても、一部のブランドロースクールの卒業生と二世君以外にはOJTの場所などないよ、法曹資格を取ったからって法律家として働けると思ったら大間違いだと突き放されても、「そんな無責任な!!」というより他にありません。さらにいえば、「司法研修所を出て法曹資格は取ったけれども、法律家としての採用がなかった人材」を企業が採用するのかというと、企業に対するアンケート調査の結果を見るとかなり悲観的であり、どうもその年齢までずっと無職でプラプラしていた人と同程度の処遇を覚悟しなければいけなさそうな雰囲気です。

 平成に入ってから、少し考えれば予想のつくことを、少しも考えずに、「神の見えざる手」に委ねることにしてしまう「神頼みの新自由主義」に基づく政策が次々と我が国では実現しています。ポスドク大増員計画も、法科大学院制度も、典型的な「神頼みの新自由主義」の無惨な失敗例ということができそうです。

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