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11/08/2007

「Googleやソーシャルブックマークを使えばいいのだ」と無責任に言い放たれても…

 「集合知の価値を維持するのは大変だ」というエントリーに対して、松岡美樹さんからご反論を頂きました

 松岡さんは、
小倉さんの持論通り、ノイズは一定レベルで存在する。ではどうすればいいのか? 先に書いたように、Googleやソーシャルブックマークを使えばいいのだ。そうすればノイズをフィルタリングしながら、質的にも総体として一定水準をクリアできる。
と仰っています。しかし、Googleにもソーシャルブックマークにもノイズをフィルタリングする機能などありません(Googleの場合、あまりに酷いものについては「Google八分」をしてくれる場合がありますが。)。Amazonレビュー等のレイティングシステムでもそうですが、大衆による評価等によりノイズを制御しようとするシステムは、特定のターゲットを貶めるためにタッグを組む人たちの前にはあまりに無力です。

 また、有益な情報をWebから排除してしまって、匿名で他人を批判ないし中傷することによって偉くなった気になっているだけの下らないコンテンツばかりがWeb空間に氾濫した場合、Googleやソーシャルブックマークがどんなアルゴリズムをはき出そうと、集合「知」といえるものはそこには存在しなくなります。ノイズしか残らない環境で、ノイズに順位をつけても何の役にも立たないのです。

 だから、読み手に優しい(ことを指向する)集合知系のサイトは、サイト管理者サイドで、積極的にノイズを除去する方策を講じますし、デマや誹謗中傷等のノイズには厳しい姿勢をとったりします。例えば、Wikipediaも、編集合戦が起こってしまった場合には「保護」措置を講じたりします。また、レイティングシステムを採用しているサイトでも、ノイズ的なレイティングをなるべく反映させないようにアルゴリズムを工夫しているところはあります。

だからといって集合知なんかダメだ、使えない、ってことにはならない。くれぐれもそのテの極論の愚には陥らないようにしたいものである。
とのことですが、前回の私のエントリーが松岡さんにはそのように読めたとすれば、松岡さんからその種の誤解を受けないような表現が果たして可能なのか、途方に暮れてしまいます。

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Commentaires

では、
 「たばこを吸いすぎる→肺ガンに罹患する場合がある
  であれば、
  すでに肺ガンに罹患したもの→たばこを吸いすぎたもの
  ですね」
といわれても、それは違うという例ならばおわかりいただけますでしょうか。

あるいは、
 「Google八分を肯定的に評価する→Beyondさんに絡まれる場合がある
  であれば
  すでにBeyondさんに絡まれたもの→Google八分を肯定的に評価したもの
  ですね?」
といわれても、それは違うと言うよりないと思いますが。

おかしな喩えを持ち出しますね。それこそ、因果関係を無視した詭弁です。

「あまりにリードが大きい」という文章には、「走力に比して」や「注意力に比して」という前提が含まれており、少なくとも「リード」がある事実に変わりありません。あえて、「注意力」だけを取り出すのは、おかしいですね。結局のところ、注意力に比してリードが大きかったのですから、「あまりにリードが大きい」に変わりありません。論理の途中でcontextを変えるのは詭弁でしょう。

ですが、「あまりに」という形容詞にこだわるのであれば外しても構いませんよ。東京都選挙管理委員会のウェブサイトが「酷いもの」とする根拠はなんですか?

小倉さんの(おかしな)喩えで言うなら、
「あまりにリードが大きい→牽制死する場合がある
  であれば
 牽制死を既にしたもの→あまりにリードが大きいもの」とは言えないかもしれないが、
「リードが存在する」のですから。

>あまりに酷いもの⇒「Google八分」をしてくれる場合があります
>であれば、
>「Google八分」を既にされているもの⇒あまりに酷いもの
>ですね。

 違います。

ex.
「あまりにリードが大きい→牽制死する場合がある
  であれば
 牽制死を既にしたもの→あまりにリードが大きいもの」
ではありません。リードはさほど大きくなかったが注意力が散漫だった場合にも牽制死する場合はありますが、だからといって、
 「あまりにリードが大きいと牽制死する場合がある」と述べた人が「現実を何も知らない」わけではありません。

補足:小倉さんが言っているのは、包含関係がおかしいですね。

あまりに酷いもの⇒「Google八分」をしてくれる場合があります
であれば、
「Google八分」を既にされているもの⇒あまりに酷いもの
ですね。

これが誤読とおっしゃるのでしたら、元々の表現の仕方について、弁護士(表現者の中でも一般的に責任あるとされる表現者という意味)としてのモラルに欠けますねという主張です。

弁護士としてのモラルを問うているのに、その返答では単なる詭弁ですね。

現実問題として、実際にグーグル八分されている東京都選挙管理委員会のページは、形式的にでも公職選挙法に抵触する可能性があると考えているのですか?一般論ではなく、ご見解をお聞きします。

それよりもまず、グーグル八分されている事実を、ご存知なのでしょうか?

「あまりに酷いものについては「Google八分」をしてくれる場合があります」ということから、「Google八分されるものはすべてあまりにひどいものである」という読み方をした上で難癖をつけられてもどうしようもないですね、ということになります。

なお、選挙絡みの場合、内容が酷くなくても、形式的に公職選挙法と抵触する虞があれば、企業としてはこれに対処することは十分にあり得ることだと思います。

>あまりに酷いものについては「Google八分」をしてくれる場合がありますが。

東京都選挙管理委員会のウェブサイトは、「あまりに酷いもの」なのですか!?

現実を何も知らないくせに、知ったかぶりで現象を語るのは、世間的に識者とされる職業についている者として恥ずかしくないのでしょうか?

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