間接寄与者の発信者情報開示
プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報の開示を求めるにあたっては、「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害された」ことが文言上必要です。
では、ネットゲームやセカンドライフなどで仮想空間マネーや仮想空間アイテム等を騙し取られた場合に、現実社会の裁判所でアイテム等の返還請求を行ったり損害賠償請求等を行ったりしようと思ったときに、この騙し取った人間の氏名・住所等の開示を、プロバイダ責任制限法を根拠としてプロバイダ等に請求できるでしょうか。あるいは、ある特定の商品について虚偽の効能を宣伝することによって消費者に不要なものを買わせて広告主から報酬を受け取ったアフィリエイターに対して不要なものを買わされた消費者が損害賠償請求を行おうと思ったときに、このアフィリエイターの氏名・住所等の開示をプロバイダ責任制限法を根拠としてプロバイダ等に請求できるでしょうか。あるいは、当該被告人の弁護人に就任した弁護士に対して懲戒申立を行うようにネット上で煽動した者に対して、この呼びかけに応じてなされたたくさんの懲戒申立てに対処するために業務に多大な支障を生じた弁護士が損害賠償請求をしようとした場合に、この煽動者の氏名・住所等のプロバイダ責任制限法を根拠としてプロバイダ等に請求できるでしょうか。
いずれについても「できる」としなければ、ネット上にある種の「無法地帯」を作ることになってしまいます。しかし、これらの例ではいずれも「発信者」の発する情報の流通それ自体が被害者の権利を直接侵害するわけではありません。「特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害された」との文言に、「特定電気通信による情報の流通によって間接的に自己の権利を侵害された」ことまで含めて読み込んでしまえばいいのかもしれないとは思うのですが、そこまで踏み込んで条文を読み込むことについて裁判所がついてきてくれるのか心配です。
そういう意味では、ネット上に無法地帯を作らないように、プロバイダ責任制限法の規定の文言を改正する時期に来ているのではないかとは思ったりします。
« 法科大学院を市場競争に晒さない理由 | Accueil | で、徹くんはどうなの? »
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
TrackBack
Voici les sites qui parlent de: 間接寄与者の発信者情報開示:
» 似ているようで全然違う。 [吉左右衛門の“因果応報”]
気になったのでコメント
現状維持派の方々への返答 その3(および海外での日本法の適用について)
日本の法律は海外には適用できない、したがってサーバの拠点を海外に移せば対処しようがないというご意見ですね。「彼のそれに対する確たる言説はまだない。」とおっしゃっていますが、実はこの件に関しては随分前に小倉さんはエントリを書いていらっしゃいます。
http://fukudablog.blog6.fc2.com/blog-entry-51.html
> したがってサーバの拠点を海外に移せば対処しようがない
... [Lire la suite]
Commentaires