医療過誤訴訟システムによる医師の経済的負担はどの程度か
ところで、実際のところ、現在の医療過誤訴訟システムは医師にどれほどの経済的負担を掛けているのでしょうか。そして、それは医療を崩壊させるほどのものでしょうか。
とりあえずの目安としては、医師賠償責任保険の保険料を見るのがよいでしょう。1件あたりの賠償額が高かったり、国民が医師を訴えることに躊躇せずかつ裁判官(国によっては陪審員)も医師に賠償責任を広く認める社会では保険料は高額となり、そうではない国では保険料は低額となるからです。そして、医師や病院は、医療過誤訴訟で敗訴しても、医師陪責保険に加入している限り、ごくわずかな免責金額を負担するだけで、それ以上の金銭の出捐を要しないのが通常だからです。
では、日本の医師賠償責任の保険料はいくらくらいでしょうか。もちろん、保険会社によって、あるいは保険商品によって違うでしょうし、集団で加入すれば一部割引もされるでしょうが、あまり細かいことを言い出すときりがないので、ウェブで検出されるものを例として掲げると、こちらの保険ですと、「最高1事故 2億円(保険期間中6億円)」で保険料は月額保険料4,500円です。年額で金5万4000円といったところです。この程度の保険料の負担で医療は崩壊するほど日本の医師の所得は低いのでしょうか?
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