法科大学院を市場競争に晒さない理由
大宮法科大学院の宮澤節生教授が、8月2日の読売新聞で、新司法試験の合格率をあげるために法科大学院の定員を削減すべきだとと主張したことが話題となっています。
しかし、比較的立地がよくかつ教員の質も高い法科大学院と、立地が悪く教員の質も低い法科大学院とが、同じように定員の削減を行うというのは、合理性を欠くように思います。それは、よりよい環境で、よりよい教育を受ける機会を低下させることになるからです(例えば、都心の企業に勤めながら仕事の終了後法科大学院に通おうと思ったら、秋葉原に通う方が、大宮に通うより好都合ですから、大宮の法科大学院を守るために、秋葉原の法科大学院の定員まで一律に削減されるのは、社会の厚生を損なうことになります。)。むしろ、法科大学院制度が開始して間もないので悪評が定着している法科大学院が、生徒数が集まらない等の理由で、「法曹養成サービス市場」から立ち去るというのが、市場原理的にはもっとも良いのではないかと思います。
もちろん、市場原理をそのまま導入すると弊害が大きい場合にはその弊害を押さえるために市場原理に一定の制限を加えるということも必要になりうるのですが、法科大学院について市場原理を制約しなければならない事情というのは、ちょっと思いつきません。
宮澤先生は、法曹にも市場原理を導入せよと常々主張されていた方だと記憶しているのですが、なぜ法科大学院には市場原理を導入すべきではないとお考えなのか、私には理解しがたかったりします。
追伸
大宮法科大学院が人気を回復するためには、第二東京弁護士会所属の弁護士は、大宮法科大学院出身の新規法曹を優先して勤務弁護士として採用する(大宮法科大学院出身の新規法曹全員の内定が出るまでは、他の法科大学院出身の新規法曹には内定を出さない)ことにすればよいのではないかと思うのです。研修所を卒業した新規法曹の約3分の1が失業しそうな昨今、「大宮法科大学院を卒業して、法曹資格を取得すれば、第二東京弁護会所属の弁護士が経営する事務所に確実に就職できる」というのはこれ以上ないセールスポイントになるはずです。
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