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25/08/2007

患者や弁護士や裁判所を攻撃しても労働環境は改善しない

 「Level3」という方からコメントを頂きました。

 

経済的理由は,医療訴訟が医療崩壊を押し進めている主たる理由ではありません.
とのことです。すると、
医療訴訟(民事のみ)に対する保険に医師が加入していることが多い筈ですが、その保険が破綻しかねませんので、保険加入料は高騰するもしくは支払い渋りが数多く発生することも考えられます。
するとどうなるか。
実際訴訟リスクの高い現場で勤労する医師は裕福でも何でもないので、そんな金銭的負担には耐えられませんので退職者が続出するでしょう。
との「元内科医」さんのコメントは、現役の医師の感覚からは外れているということでしょうか(懲罰的損害賠償制度が認められない限り、1件あたりの賠償額は飛躍的に高額化しそうにはありませんので、医師賠償責任保険の保険料は、概ね医師敗訴件数に比例する形でしか高額化しそうにありません。)。

 「Level3」さんは、

最大の問題は「医師のモチベーションを無くさせている」ことです.
多くの勤務医は連続36時間勤務,深夜勤務の翌日も休みなし,といったハードな勤務で労働基準法の基準を遥かに超えて働いています.これによって医師不足と言われながらかろうじて現在の医療は成り立っているわけです.時間給にすれば数百円以下ですね.こんな状況でも医師が医療を続けていたのは,「人を助ける」という使命感でした.ところが,医療訴訟の乱発,さらには「トンでも判決による不当な敗訴」によって医師はモチベーションを無くし,医療現場から立ち去っています.
と続けます。ただ、そうだとすると、「医師を治外法権に置く」というのは根本的な解決ではないように思われてなりません。むしろ、「多くの勤務医」が、「連続36時間勤務,深夜勤務の翌日も休みなし,といったハードな勤務で労働基準法の基準を遥かに超えて働いてい」る状況を改善する方向で「医師のモチベーション」を維持するのが本筋のように思います。といいますか、勤務先に「労働基準法を守れ」といえない鬱憤を、医療過誤訴訟を提起した患者やその家族、医療過誤訴訟を受任した弁護士や認容判決を下した裁判官に向けられても、何一つ建設的な話には繋がらないように思えてなりません。

 それとも、「ミスを犯して人を死に至らしめても一切責任をとらなくとも良い」特権さえ手に入れば、「連続36時間勤務,深夜勤務の翌日も休みなし,といったハードな勤務で労働基準法の基準を遥かに超えて働いてい」る状況は改善されなくとも構わないということなのでしょうか。

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