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16/09/2007

法科大学院のコスト

 非法学部卒業者が法科大学院(未習コース)を卒業して司法修習を終了した後官庁や民間企業に就職する場合、どのような処遇が必要とされるのでしょうか。投下資本が概ね15年程度で回収されないのであれば、中長期的には、合理的な人間はそのような進路を選択しなくなるとして考えてみることにしましょう(未習コースの場合、ストレートでいっても、実際に働き始めるのが27歳からになりますから、それから15年ということですと、42歳になってしまいます。)。

 まず、法科大学院を卒業するまでに負担する費用としては、法科大学院の授業料等や書籍代等の積極的費用の他、法科大学院に在学中原則無給状態に置かれることによる機会喪失費用をも斟酌する必要があるでしょう。法科大学院の授業料は、学校ごとにまちまちですが、仮に初年度150万円、2年目以降100万円/年として計算することにします。すると、3年間で350万円ですね。3年間の書籍代等を計50万円とすると(法学系の書籍は、1冊で5000円を超えるものが少なくないのです。)、積極費用は400万円ということになります。機会喪失費用は、各人の給与水準により異なってきますが、他学部卒業後すぐに法科大学院に入学する、すなわち、22〜25歳の3年間を法科大学院で過ごし、新司法試験に1回で合格し、二回試験も1回で合格するとすると、機会喪失費用は概ね400万円×5=2000万円ということになります(大卒男子の賃金センサスを参考に、ざっくりとした数字を導くとですね。)。もちろん、一定の社会人経験をし、年齢が上昇すると、同学歴・同世代の給与水準が上昇しますから、機会喪失費用も増大します。)。

 したがって、未習者コースを経て法曹資格を取得するための投下資本は、概ね2400万円を超えることになります。これを概ね15年程度で回収するためには、同学歴・同世代のものより、2400万円÷15=160万円程度収入面で優遇されることが必要となります。すると、27〜8歳から働き始めるとして、そのあたりの年齢の大卒男子(給与所得者)の平均年収が400万円前後ですから、初年度年収が600万円弱程度に達しなければ、投下資本の回収は見込めないと言うことになります。

 こうやって考えてみると、法学部を廃止して、未習者コースに一本化せよ云々という一部ロースクール教員の提言は現実離れしているように思います。むしろ、法科大学院制度を一日も早く廃止して、「ロースクール」を法学部の1学科として構成し直すべきではないかと思います。これならば、法曹資格を取得するための投下資本は、授業料(の他学部・他学科との差額)+司法試験受験機関及び修習期間中の賃金相当額ということになりますし、24歳から働きに出られるわけで、同学歴・同世代の給与水準 がさほど上昇していない時期に、社会に踏み出すことができます。したがって、360万円+360万円×2÷15≒400万円程度の初年度年収で足りるということになります。

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