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30/03/2008

法学部的議論

 サンデープロジェクトで行われていた貸金業のグレーゾーン金利に関する議論について、「かんべい」こと吉崎さんが「法学部的議論だ」と揶揄していました。

 経済学的にいえば、高利貸しからお金を借りた人間が、その収入のほとんどを高利貸しへの利払いの支払いのみに充てさせられ、その何割かがついに将来に絶望して自殺し、あるいは、家族を巻き込んで無理心中し、もしくは高利貸しへの利払いのために強盗等を行うことになったとしても、高利貸しに支払われた金利が、高利貸しを通じて、テレビ局や新聞社、贅沢品等を取り扱う事業者に流れるのであれば、そのようなお金の流れがストップするよりも、経済的に「効率的」だと言うことになるのかもしれません。マクロ経済学は、人命が損なわれることをマイナスの要素として捉えませんから、当然のことですね。

 ただ、そのようなマクロ経済的な意味で効率が最大化されることが法制度の究極目的ではありません。ごく一握りの人々に富を集中させ、その過程で、少なくない人々を死に追いやることが、マクロ経済学的にいえば「正解」だとしても、それは法制度としては、「正解」ではありません。そういう意味では、私たち法学系の人間は、経済学系の人々から如何に揶揄されようとも、マクロ経済学の人々からは「取るに足らない」と見捨てられてしまう個々の人々の絶望的な不幸を少しでも軽減するために努力をしていく必要がありそうです。

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