未成年者の保護のナショナル・ミニマム
崎山さんが次のように述べています。
そして、刑事責任のような代行しえないような責任を除けば、基本的に親権者が、足りない部分を補う(という言い方が悪ければ、例えば、法定代理人が許した範囲内で法律行為ができる、とでも言えばいいのでしょう。正確な言い方は、弁護士の小倉さんのほうがよほど詳しいはず)。
しかし,親権者が足りない部分を補えるのは,財産等の処分に関する部分と,一定の年齢を超えた場合の婚姻等に関する部分など,ごく一部に限られています。未成年者保護のためのパターナリスティックな制約の多くは,親権者の同意等があっても,フリーにはなりません。
例えば,親権者の同意があったとしても13歳未満の女児との性交渉は強姦となるし,親権者の同意があったとしても未成年者に酒を飲ませてはいけないし,親権者の同意があったとしても映画の製作又は演劇の事業以外の事業について13歳未満の児童を労働者として使用してはいけないことには変わりがありません。また,児童ポルノ法上の援助交際禁止規定にしても,親の承諾があったことを,構成要件該当性ないし違法性阻却事由にしているわけではありません(児童ポルノの頒布等規制についても同様です。)。
結局,子供は親権者の所有物ではない以上,「これ以上劣悪な環境に子供を置いてはいけない」ということで概ねの社会的コンセンサスが得られた基準を「ナショナル・ミニマム」として,それ以上劣悪な環境に子供を置くことを法的に禁止するということはこれまでも行われていたし,それはけしからんというほどの話ではありません。「紫の上は,満年齢で言うと12〜3歳の時に……」みたいなことをいくら言ってみても,親の承諾があれば13歳未満の女児と同意の上で何をしてもよいはずだという意見は通りにくいかと思います。
そういう意味で,有害情報流通規制に関しても,一定のレベルを超えるものについては,保護者の自律的判断を否定するのは当然だということができます。
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