裁判員の日当
各種報道によれば,裁判員制度についての詳細が徐々に明らかになりつつあります。その中で一つ気になったのは,「裁判員の日当」の問題です。
報道によれば,日当を1万円以下とするという方向で検討がなされているようですが,どうしてそのような話になるのか不思議でなりません。
週休2日制が普及した現在,1日あたりの「給与」が1万円を割り込むのって,月給20数万円レベルまでの人たちに限定されており,それ以上の給料取りや自営業者については,裁判員になることが直ちに減収を意味することになってしまいます。刑事裁判の法廷の中で,そのような低い時間単価に甘んじているのは,被告人と証人を除けば,弁護人しかいないではないですか。裁判長が1日あたり4〜5万円の給料をもらっている状況の中で,なぜ裁判員の日当が1万円以下なのでしょうか。
もちろん,平均よりも多くもらっている人に合わせてはいられないでしょうけど,逆に言えば,フルタイムで働いている正規雇用労働者の1日あたりの「給与」水準をベースに日当を算定することはできるはずです。
あるいは,国にはそんなに財政的なゆとりはないというのかもしれないですが,裁判員制度を採用すればお金がかかることは端から分かっているのですから,必要なお金がかけられないというのであれば,そんなお金がかかる制度はやめるべきです。担い手に「泣いてもらう」ことで,本来お金がかかる制度を,お金をかけずに実現するというのは,間違っています。
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