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28/04/2008

それぞれができることをやる

 マイクロソフト(株)の従業員としての仕事の一環として事に当たっている方から,「現象面の改善では小倉さんより僕の方が手を動かしてるんだけど」といわれてしまうと,「それはそうでしょうね」としか言いようがありません。もっとも,私の場合,仮に陰で関与していたとしてもその場合は関与していたこと自体公言することがはばかられる立場にはいるわけですけど(この点,訴訟代理人という表の舞台で実際の事件に関与している場合とは大きく異なります。)。

 それはともかくとして,特定の法律案についてネット上で流布されている誤解を,「それは誤解だ」とはっきり言うことは,法律家がネット上でできる社会貢献の一つだとは思っています.

 

どちらかというと小倉先生こそネット規制反対にの声に対して個別に反対しているだけで、政府が、民間が、何をすべきかについて何も語っていないんじゃないの。

楠さんは仰っているわけですが,法律や法律案が不当に誤解されて非難されているのを放置するというのは,法律家としては非常に気持ちが悪いことなのだから仕方がないではないかと言わざるを得ません。

 楠さんですら,

高市案の問題点は前にも書いているけれども、政府に広範な裁量権を付与し、極めて高い行政コストがかかる一方で、効果が全くはっきりしないことだ。もっと法的輪郭がはっきりしていて、政府による濫用の虞が小さく、費用対効果の高い政策を考えなきゃならない。あの法案の問題は、子どもを護ることを口実に特定の考えを誰もに押し付けようとしていたり、保護法益を曖昧にして濫用の余地を大きく残しているところにある。

なんてことを未だにいっている段階でしょう?高市私案が通ったとして,どうやったら,統一協会的な純潔概念を私や楠さんに押しつけることができるとでもいうのですか?国会承認人事で,特定の宗教勢力から過半数の委員を選任することが実際にあり得るとお考えなのでしょうか。そういうところから,ほそぼそと,無給でやっているが現状です。

問題は、そういうコンマ数%の子たちを救うために何ができて、何はすべきではないかということだ。ネットで人生を誤る人の2桁、3桁以上の数、ネットで人生の幅を広げた子たちもいる訳で、そういう可能性を摘まずに済むようにしなきゃならない。

とのことですが,「ネットで人生を誤る人の2桁、3桁以上の数、ネットで人生の幅を広げた子たちもいる」ったって,それは,高市私案で排除される危険のある「有害情報」に触れることで「人生の幅を広げた子たち」が「ネットで人生を誤る人の2桁、3桁以上の数」いるということではないでしょう。更にいえば,ネット企業はこれまでもずっと「コンマ数%の人間」を犠牲にして稼いできたわけで,いつまで「コンマ数%の人間」を犠牲にすることで稼ぐビジネスを続けるのかということが,さすがに最近問われ始めてきているというだけのことでしょう。

高市案に反対することと、ネット規制そのものに反対することとは全く別の議論であって、多くの事業者が違法情報対策を強化するネット規制そのものに反対している訳ではないし、有害情報を子どもにみせないために投資している。

と言ってみても,MIAU自身,WIDEとの共同声明において,

規制は青少年の成長にとってもマイナスと指摘。「青少年が『有害な』情報に全くアクセスできない状態で成人すると、情報の取捨選択や主体的な判断といったリテラシーを学ぶ機会が失われる。興味本位で『有害情報』サイトを作成する青少年や、成人してから多くの犯罪に巻き込まれる“情報弱者”の18歳が生まれるだけではないか」と危ぐ

と表明しているわけで,むしろ,積極的に,青少年が自由に有害情報にアクセスする仕組み作りを目指すべきとしているわけではないですか。

 それだけだと不親切すぎるきらいがあるので多少のアイディアを述べるとすると,CGMに関して言えば,年齢を問わずアクセスすることができる領域に有害情報が投稿された場合の対処方法をマニュアル化して,これをしかるべき機関が審査し,その審査に合格した場合に限りホワイトリストに加え,運用面でそのマニュアルが適切に運用されていなかったりした場合にはその機関が警告を与え,その警告に従わなかった場合にはそこをホワイトリストから外すということであれば,十分に実現可能だとは思います。ブログやSNSに関して言えば,各登録利用者ごとに,18歳未満にもオープンにする代わりに随時監視・有害情報削除を甘受するか,18歳未満からアクセスされることに拘らない代わりに,違法ではない有害情報の投稿は大目に見てもらうのかを選択できるようにすればよいのではないかと思います。

 これならば,DeNAのように,18歳未満にCGMを提供していきたいところは,有害情報を除去するための実効的な手段をマニュアル化した上で,それを実践していけばいいわけです。その方法としては,頻繁な巡回による有害情報投稿の早期発見,有害情報を含む投稿の送信防止措置の発動並びに投稿者に対する警告,有害情報を含む投稿を繰り返すものに対する投稿資格の停止又は剥奪等が考えられるのではないかと思います。

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