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21/05/2008

健康保険制度が崩壊して困るのは患者のみか,医師も困るのか。

 医療系ブロガーさんたちはしばしば,保険医療制度が崩壊しても困るのは患者たちであって,医師は困らないみたいな捨て台詞を吐きます。まあ,確かに患者は困るとは思いますが,医師も困るのではないかという気がします。

 法律サービスの場合,国民皆保険のような制度はないので,普通の市民が弁護士等による法律サービスを受けるためには,原則として,弁護士等に支払うべき報酬額等を全額自費で捻出しなければなりません。すると,本来弁護士等による法律サービスを受けることが望ましい人の多くが,その費用を捻出できないために,これを受けられないということになります。弁護士の数が増えて,一般市民向けの法律サービスの時間単価が低下すれば,弁護士等に支払うべき報酬額等が自費で捻出できる範囲内で収まる場合も増えてくるとは思いますが,それが生業として位置づけられる限りにおいては時間単価を引き下げるにも限界はありますから,その限界的な単価で計算した報酬額等ですら支払えない人は弁護士等による法律サービスを受けられないということになります。

 これは,逆に言えば,国民皆保険のような制度があり,国民が弁護士に支払うべき報酬等の一部が保険から支払われる制度のもとであれば存在した「需要」が,そのような制度がないが為に消失しているということになります。

 健康保険制度が崩壊するということは,健康保険制度が存在したとするならば存在していたであろう「需要」が消失するということになります。その場合,健康保険制度の存在を前提として現在ある医療システムは,供給過多の状態に追い込まれることになり,結果的に医師の所得水準の低下を招くことになります。

 もちろん,現在でも健康保険制度を利用しない医師というのは,歯科医や美容整形等の分野では少なからず存在してはいます。しかし,彼らの市場は非常に小さい(費用の心配をせずに診療を受けられる国民というのは,数が極めて限られます。)ので,この分野に転換する医師が増加をすると,たちまちのうちに供給過多に陥ります。

 健康保険制度がなくなれば,医師は従前よりも高い時間単価で仕事をすることができ,したがって従来よりも少ない仕事時間で優雅な生活を送れるようになると期待しているとすれば,それは甘いといわざるを得ません。健康保険制度がなくなった場合,医療機関側が患者から受け取る時間単価が同じでも,患者が支払う単価は3.3倍です。医師側の受け取る客単価を高めるためには,患者側はそれ以上の負担増を甘受しなければならないわけですが,それに耐えられる人がどれだけいるというのかということです。

 確かに米国では娘の手術代を確保するために数千万円の借金をする人も少なからずいますが,それは,娘の親権を勝ち取るために数千万円の借金をして弁護士に報酬を支払う人が珍しくない社会でのお話です。わが国とは,専門家に高額の報酬を支払うということに対する感覚が根本的に違っており,恐らくは参考にはならないと考えるべきでしょう。

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Voici les sites qui parlent de 健康保険制度が崩壊して困るのは患者のみか,医師も困るのか。:

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いや、まあ、そこまで批判的に思っているわけでもないけれど、小倉弁護士の「健康保険制度が崩壊して困るのは患者のみか,医師も困るのか。」に対する疑問がはてブでは収まりきらなくなってきたのでエントリを起こしてみる。最初の疑問はここ。医療系ブロガーさんたちはしばしば,保険医療制度が崩壊しても困るのは患者たちであって,医師は困らないみたいな捨て台詞を吐きます。ほんとうかなあ。まあ、医療系ブログなんてほとんど見ないけれど、そもそもこの「医療系ブロガーさんたち」の意見を、医療関係者の代表的な意見と受け取ってよいの... [Lire la suite]

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