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18/06/2008

なぜ労組の結成が先でないのか

 勤務医を中心とする集団がまずやるべきことは何かといえば、普通に考えれば、職能別労働組合を結成して、労働環境の改善を病院等に働きかけていくことでしょう。それを後回しにして、まず「刑事免責」を主張して患者や世間を敵に回すということ自体、政治的なセンスを欠いているように思えてなりません。

 公立の病院について言えば、地域住民の同意が得られば、病院単体が黒字事業である必要すらないので、診療報酬制度をいじらなくとも、勤務医の数を増やして医師のローテーションを緩やかにすることができます。それは、勤務医労組と自治体との交渉の中で、地元議会の承認の元で実現が可能です。また、勤務医からなる労働組合として、労働時間と給与のバランスをどのあたりにおいてほしいかを明確に表明すれば、雇用側たる病院は、それを受け入れられるのかを検討することができます。

 また、医師の労働時間を減らすということを目標とするのであれば、現在医師が行うべきとされていることのうち、必ずしも医師でなくとも十分に勤まることをピックアップして、これを医療補助職の仕事とするように声を上げていくこともできるはずです。声を上げる先は厚労省ということになるのでしょうが、刑法を所管する法務省よりは交渉しやすいのではないかと思います。

 また、開業医中心の日本医師会よりは勤務医中心の団体の方が医師の絶対数が増えることに対する抵抗感は小さいわけですから、医学部の定員の大幅増員をもっと積極的に主張していけばいいのにとは思います。そりゃ、医者が育ちあがるまでには時間はかかるでしょうが、医師の絶対数を増やす即効薬などないのですから、仕方がありません。いずれにせよ、医師に「刑事免責」を認めたところで、医師がどこからか沸いて出てくるわけではありませんので、医師の絶対数の不足を解消する手法としては、医師の刑事免責というのは無意味です。

 医師の「刑事免責」って同業者、特に雇用主たる病院経営者と対立しなくとも済むお話だし、「法律家」「患者とその遺族」という「共通の敵」を作り上げてみんなで盛り上がることができるから、組織論的には、それを第一にもってくるのは楽なんだろうと思います。でも、楽なだけで、実現の見通しは低いですし、実現したところで、当面の課題の解決にはどうもあまり結びつかないように思えてなりません。

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