刑事医療過誤事件と起訴前弁護
医師たちに一種の治外法権を付与せよと主張する医療系コメンテーターの方々が錦の御旗として掲げる福島大野病院事件ですが,起訴前弁護が適切に行われていたのかが見えてきません。
検察官や警察官には専門的な医学知識はないと医師の方たちは馬鹿にするのかもしれませんが,検察官等としては,自分たちに専門的な知識がないからといって医師たちのやりたい放題にしておくことはできないので,他の医師等の意見を聞きながら捜査を進めていくわけですから,不起訴を狙うのであれば,検察官が起訴の方針を固める前に,当該事件において医師が行った行為は当該状況の下では適切なものであったことを示す別の医師の意見書等を提出することが望ましいし,弁護人が,どこに過失ありと見ているのかを検察官から早期に聞き出した上で意見書の作成を指示し,その意見書を咀嚼した上で当該医師に業務上過失を問うのは適切ではないと検察官を説得することが望ましいといえます。
医師たちが不当に起訴されることを回避するためには,起訴前弁護を適切に受けられる体制,そして,起訴前弁護を担当する弁護人に的確な医療情報が提供される体制が構築されることが有益です。しかし,全国医師連盟のサイトを拝見しても,又はレベルが高いと自称する某ブログのコメント欄を見ても,業務上過失致死傷の容疑を医師がかけられた場合の,法的なバックアップ体制を整備していこうという志向は感じられません。
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