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17/07/2008

医療崩壊を防ぐため、どの型の血液を輸血するか勘に頼ってもよいということにすべきか。

 医療従事者に刑事免責が認められると、刑事訴追される心配をせずに、どのようなArtfulな医療行為を行うことができるようになるのかは、実際に医師が刑事罰を科された裁判例を見ることにより予測することができるでしょう。幸い、法律家の世界では、医師に刑事罰が科せられた事件について、まとめて類型化した文献がいくつかあります。

 例えば、輸血を行うに当たって、看護婦も医師も診療録を見て患者の血液型を確認せず、凝集溶血反応を十分に視認観察を行うことなく、異種の血液型の血液を輸血し患者を死に至らしめた羽曳野簡裁平成2年1月9日では、看護婦は、その患者は同室に入院していた他の患者と同じ血液型であるに違いないと決め打ちして、A型の血液を取り寄せるというArtfulな行為を行ったわけです。医療従事者に刑事免責が認められると、どの血液型の血液を患者に輸血するかは、看護婦の勘に頼ることができることになります。

 大阪簡裁平成3年6月14日や、坂田簡裁平成8年10月29日は、いずれも、看護婦が血液の入った容器の表示を確認せずに、輸血すべきでない血液を輸血して患者を死亡させた事案です。医療従事者の刑事免責が認められると、看護婦は、輸血用の血液が入った容器を適当につかんで医師に手渡すことが許されます。それで、患者が死ぬか否かは、まさに「医療行為の不確実性」ということになるのでしょうか。

 あるいは、国民が医療にかけるお金が少なすぎるので、医療従事者としては、輸血を受けようとする患者の血液型などいちいち注意している余裕がない、診療録も、容器に記載された表示も、見ている暇がないと言うことなのかもしれません。

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Commentaires

 小倉先生のご意見は、弁護士の事件処理方針に関する判断と、事務員の書面清書の際の誤記を、同じ土俵で評価しているようなものですよ。

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