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04/07/2008

労働時間の短縮と免責の関係

 「医療崩壊」問題の根幹が医師の労働時間問題だとすると,なぜ医療系ブロガー・コメンテーターが,医療過誤に関する民事・刑事上の責任の免責に拘るのか不可解です。感謝の気持ちがあればこそ云々というきれいごとを言われても,法律上医師が免責されていれば,医療ミスで家族が死んだ場合に医師に感謝するようになるのかといえば,そうはならないだろう(むしろ,正規の方法で医師の責任を追及する手段がなくなれば,医師に対する恨みは余計強くなるだろう)ということは普通に予測がつくことです。

 医師に民事・刑事上の免責を与えることが医師の労働時間問題の解決に寄与するとすれば,それは,医師が,患者の安全性は高いが時間のかかる手法より,患者の安全性は低いが短時間で終わる手法を採用することができる,ということはあり得るかもしれません。象徴的にいうならば,特定の類型の患者について,生存率は90%だが5人の医師が平均3時間かけて行う手術を止めて,生存率は30%だが3人の医師が平均30分かけて行う手術を採用すれば,医師の労働時間は大幅に短縮でき,医師不足が解消するかもしれません。あるいは,患者の安全のために従前入念に行ってきたチェック(患者を取り違えていないか,点滴する薬剤は間違えていないか,消毒はしっかり行ったか等々)を省略することができるということかもしれません。しかし,それらは,患者にとっては決してありがたくない話です。

 医師の労働時間を短縮するための方策を模索するのはよいことだと思いますが,決して患者の安全をないがしろにしない方法を採用してもらいたいものです。

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