法律家は医療のことを理解して何が正しいかをジャッジすることが出来る
じゃあ法律家が医療のことを理解して何が正しいかをジャッジすることが出来るかというとそうでもないと思うけど。
と仰る人がいますが,鑑定などにより専門家の助けを得つつであれば,法律家は,医療のことを含むほとんどの事象について,事実を認定し,そこに法を適切に当てはめることが出来ます。その判断を,医療系ブロガー等がお気に召すかはともかくとして。だって,少なくとも形而下の問題についていえば,法律家って,いかなる分野の紛争に関しても,事実調査,認定,法規範への当てはめ,等を経て「結論」を出すことを拒めない立場でずっと過ごしていますから。
といいますか,医療事故調査において医師の優位性って,当該ケースに当てはまる「医療の準則」を知っているというだけですから,調査活動,事実認定,刑事手続に付すことの相当性等をもっぱら現役の現場医師のみからなる組織に委ねる合理性ってないですね。諸外国における裁判外の医療事故調査組織について,そのメンバーを現役の現場医師に限定しているところはないのではないかと思います。
さらにいえば,何をもって刑事処分の処すことの判断をもっぱら現役の医師からなる組織に委ねた場合,医師を刑事処分の処すためのハードルは思い切りあがりそうです。未だ未熟な医師が,熟練の医師の立ち会いなしに,実際の患者の体を使って練習し,案の定ミスして患者を死に至らしめたような場合でも,不可罰になるのではないでしょうか。また,医師に批判的な人が点滴を受けた際に,まるで点滴液の中に雑巾の絞り汁を混ぜたかのような大量の雑菌が混入しており,その結果その患者が感染症で死亡してしまったというような場合にも,不問にされる虞が高そうです。まさに,「命が惜しかったら,一か八か医師の診療の受けなければ確実に死ぬという場合以外は,医師による診療を受けてはいけない」という未来を望むのでなければ,そのようないびつなシステムは作るべきでないと言えそうです。矢部弁護士の開設するブログのコメント欄や掲示板での医師(自称を含む)の発言を見る限り,ということになるのでしょうが。
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