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27/10/2008

十分にお金を出しているのに文句を言われる国民の不幸

 novtan氏は,

結局のところ、医療制度を維持したいけれど金は出したくない、という無茶は通用しないんだけど、なんでそういう無茶をさも正義かのように言い張る人がいるかということだな。
なんてことを仰っているようです。少なくとも,我が国においては,医療制度を維持するために莫大なお金を投入している(医師一人あたりの医療費は先進国内でもトップクラス)ことなど無視されてしまっている感じがします。

 まあ,医療系ブロガー・コメンテーターの中には,あたかも日本では医師達に犠牲を強いることで医療制度が維持されているかのごとく喧伝する人たちがいますけど,日経メディカルオンラインによれば,勤務医の平均年収が約1410万円,中央値で1400万円である(主たる勤務先からの給料分だけでも平均で1198万円ある。)こと考えると,日本では医師達はかなり厚遇されているのであって,少なくとも収入面については犠牲を強いられているとは言い難いわけです(平均年収が約330万円で,その6割が年収300万円以下という介護福祉士ならば「自分たちに犠牲を強いることで介護制度が維持されている」と言っても違和感ないですが,被用者という身分ですら平均年収が1400万円もある医師において,そのようなことを言われても,なんだか浮世離れしているように感じられます。)。

 医師は長時間労働だから時給換算だとやすいのだというかもしれませんが,週70時間労働×52週で計算しても,時給は約3900円となるので,かなり高給の部類に入るといえます(週50時間労働×50週で年収400万円のサラリーマンの場合,時給換算で1600円ですから,その倍以上ということになります。)。

 病院における勤務医不足は,結局,医療予算全体が少なく,医師の労働環境が全体的に悪化しているからではなく,医師会の政治力により,開業医になれば,より短い労働時間で高収入が得られる可能性が高く,利にさとい医師達が次々と勤務医を辞めて開業してしまうことによるところが大きいわけですから,保険点数を上げるなどして医師全体の処遇をさらによくしてみたところで,勤務医不足は解消しないであろうことは見当がつくわけです。

 なお,上記エントリーで引用されている舛添大臣の計画配置論では、「税金で養成してるんだから言うことを聞け」と言いますが、医学部だけでなく法学部など、どこでも税金を使っています。「この職業に就け」というのは、職業選択や住居選択の自由を保障する憲法に違反しています。との発言についてですが,保険医について,地域および診療科目ごとに定員を設けるということであれば,職業選択や住居選択の自由を保障する憲法には違反しないように思います。

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