FJneoさん,おめでとう
FJneoさんが,旧司法試験に合格されたようです。おめでとうございます。
先に司法試験に合格している者としてアドバイスをするとすれば,会社にお願いして,司法修習を受けさせてもらった方がよいということです。旧司法試験合格者対応の司法修習はあと2回分しかないということもありますが,企業法務を行う上で,刑事事件をちゃんと見ておくということと,左翼系の弁護士とざっくばらんに語り合える機会をもつということは,結構プラスに働くからです(そういう意味で,渉外系や企業法務系の事務所の訪問にばかり忙しくて,左翼系の大御所の事務所への事務所訪問等を行っていない修習生とかは勿体ないことをしているなあというのが,私の正直な感想です。法曹三者は,修習生に対しては,かなりざっくばらんな話をする伝統があり,同じ話は弁護士登録してからでは決して聞けなかったりするのですが。)。
それはともかく,法曹養成制度改革の一つの目的は多様な人材を法曹に迎え入れるということにあったと思うのですが,FJneoさんのケースでも明らかなとおり,企業勤めしている方にとっては,会社を辞めて法科大学院に入学するというのは却ってハードルが高いわけで,旧司法試験を完全に廃止してロースクール制度一本に絞った場合は,人材の多様性は却って犠牲になってしまうことがほぼ明らかになってきたように思います(法科大学院制度の導入によって,従前の司法試験制度の下では決して司法試験に合格しなかったようなレベルでも新司法試験に合格できるようになったということで,学力の多様性はもたらされたわけですが。)。
そういう意味では,旧司法試験枠をこれからの数百名程度残してもらうと,その中から,学力ではなく,社会経験が多様な人材が輩出されてよいのではないかという気がしてなりません。もちろん,予備試験枠があるという話はあるのですが,どんなに親に金が余っていても,どんなに親がよい顧問先をたくさんもっている法律事務所を経営していても,本人の学力が不十分だと弁護士になれないという点を除き,旧司法試験下の法曹選抜に特段の問題はなかったわけですから,予備試験なんて屋上屋を重ねるようなことはやめて,旧司法試験枠を残していただくのが素直だと思うのです。
新人を採用する法律事務所の立場から見たって,学力を重視したいか,出身階層を重視したいかで,旧試験組を採用するか,新試験組を採用するか決めることができるので,それはそれで助かるわけですし。
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