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15/11/2008

「成功報酬の先払い」って何?

 落合先生も言及されていますが,

 訴えによると、パチンコ景品交換業者(故人)は2005〜06年に金沢国税局の税務調査を受け、地方税も含めて約77億円を追徴課税された。杉井弁護士らのグループに対応を依頼したところ、「異議申し立てによって、追徴税額は約64億円減額されて約13億円に収まる」と言われたため、成功報酬の先払いなどとしてグループに計3億1000万円を支払った。
との事件は,生粋系でない弁護士にありがちな「急ぎ働き」傾向が垣間見える事件です。

 私のような生粋の弁護士からすると,「成功報酬の先払い」を請求するという考え方が信じられません。なぜなら,成功報酬って,一定の結果が成就した暁に,その結果に対していただくものであって,どのような結果が成就するか不確定の段階では成功報酬が発生するか否かさえ未確定だからです。

 しかも,上記報道を見る限り,異議の申し立てにより追徴税額を約6分の1に減額するというのが成功報酬の対象となる「結果」ですから,これが成就する可能性というのは,さほど高いものではなく,なぜこの案件で,上記「結果」が必ず生ずることを前提とした成功報酬の先払いなんて話になるのか,たいそう疑問です。

 依頼者の支払い能力や支払い意思に疑問がある場合に成功報酬相当額を預かり金としてプールしておくというのはあり得なくはないですが,その場合,結果が芳しくなかった場合には,その結果に対して支払われるべき成功報酬額との差額は速やかに返還すべきということになります。まあ,一部勝訴の場合の成功報酬額については依頼者との協議が難航する場合がありますので,これが解決するまでの間精算が滞るということはあり得なくはないですが,約3億1000万程度しか追徴額が減額されなかったのに,先払いを受けた計3億1000万円という成功「報酬額が過大だとは考えられない」とは,少々考えがたいです。

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