新人弁護士を助教に採用しようという福岡大学医学部の実験
読売新聞によれば,福岡大学医学部は,2009年度から、今年の12月に弁護士資格を取得予定の,薬剤師として約11年の勤務経験を有する女性を消化器外科の助教に迎え,「医療訴訟など医事を巡る紛争の増加に対応するため、弁護士を研究職の教員として採用する方針を決めた」とのことです。
「トラブル発生の際、第三者的な立場で病院と患者から意見を聞き、手術経過などを分析して法的問題を指摘する」ことが予定されているとのことですが,福岡大学医学部の大学病院で起こった医療事故について,福岡大学医学部の助教から,「それは,不法行為は成立しませんよ」とか「あなたのお父さんは所詮死ぬ運命だったのであって,これは事故ではないんですよ」みたいなことを言われて,果たして遺族は納得するのだろうかと考えると,これって,この助教さんが,「第三者的な立場で病院と患者から意見を聞」いた結果医師に過失ありと言うことになったときに訴訟になる前に賠償金を支払うという場面でしか役に立たないような気がします。
で,研修所を出たての元薬剤師たる助教が「これは賠償しないといけませんよ」と第三者的に意見を述べたら,ベテラン医師からなる教授陣は素直に従うのでしょうか。
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