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01/11/2008

医師以外の職業を馬鹿にしすぎるのでは?

 医師の貴族化を待望する人たちの論理というのは本当に不思議です。

 novtanさんは,

もうさ、絶対収入のことしか頭にないのはおかしいっていろんな人に言われているのに絶対そこには言及しないのね。つまり、ある一定の年収を得ているものは非人間的な仕事をするのは当然である、ということかな。労働基準法とかどうでもいいって考えは法曹としてはどうなんだろうね。
と仰っています。しかし,これまで日本の医師の給料は安すぎるということをしきりに強調していたのは医師の側であって,医師の給料の安さを強調する方向で収入の話をするのはよいけど,日本の医師の給料は安くはない,開業医についていえばむしろ高いという方向で収入の話をするのはよくないというのはいかがなものかという気がします。

 さらにいうと,国にせよ,地方自治体にせよ,無尽蔵にお金があるわけではないので,一定量の仕事をできるだけ多くの人で分担することにより一人あたりの負担を減らそうと思ったら,ある程度給料については我慢してもらわなければなりません。ある公立病院のある診療科の医師の人件費として最大4000万円までは確保できるという場合に,平均1200万円ならば3人まで勤務医を雇えますが,2700万円は用意しないと勤務医にきてもらえないとなれば1人しか雇えないということになります。逆に,平均700万円でも勤務医が確保できるのなら,この予算で勤務医を5人は確保できるわけです。すなわち,公立病院における医師一人あたりの労働時間を短縮しようと思ったら,医師が満足する所得水準を引き下げることが必要となります。そして,「開業医になれば楽して平均2700万円稼げる」という環境がその妨げになるのであれば,開業医の診療行為の保険点数を引き下げるなどして開業医の所得水準を引き下げる必要があるということです。

 novtanさんは,給料を水準以上貰っている人は労働基準法に抵触していようが収入だけに満足して頑張れ、と。と仰っていますが,明らかに話が逆です(まあ,医師以外では,2000万円以上の収入を労働で得ようと思ったら,週40時間労働ではなかなか難しかろうと思いますが。)。勤務医の労働時間を短縮しようと思ったら,勤務医の給料レベルを引き下げても勤務医を必要なだけ確保できる仕組みにしていく必要があるのであって,そのためには開業医の所得水準を引き下げる必要があるということです。

 勤務医の週平均労働時間を64時間とし,年51週働くとして,総労働時間が3,264時間です。勤務医の平均年収を約1400万円とすると,平均時給が約4300円ということになります。これに週40時間×50週を掛け合わせると,860万円ということになります。このレベルの平均年収で満足してくれる注1医師が必要なだけ存在するのであれば,社会全体の総被診療時間を減少させず,かつ,医療費の増大を招くことなく,勤務医の労働時間を週40時間にとどめることができるということになります。

注1 勤務医達が年功序列型の賃金体系を望む場合,若年のうちは,年収は,年850万円より相当安くなります。 【本館の方に投稿してしまったので,移設しました】

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