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30/12/2008

CGM系事業者と電話による苦情受付の必要性

 読売新聞が次のような内容を含む記事を掲載しました。

消費者に電話番号を明かさず、苦情や問い合わせの窓口をメールに限定するIT系企業に対し、消費者から対応を疑問視する声が上がっている。
 インターネットが生活に浸透するに従い、IT知識の少ない中高年もネットを利用するようになっており、消費者問題の専門家からは「『IT弱者』への視点が欠けていないか」との声が上がっている。

 しかし、この問題を「IT知識の少ない中高年」の問題に限定するのは、正しくありません。苦情や問い合わせの窓口をメールに限定した場合の最大の問題は、俊敏な対応が要求されるものについても緩慢な対応しかなしえない点にあります。これは特に、その利用者が投稿した情報を即時的に配信するCGM系のサービスを提供する場合に典型的に現れます。

 例えば、ある女性が、「どうか私を犯して下さい」というメッセージとともに自分の氏名と住所と顔写真とがCGM系サイトに掲載されたというケースを想定してみましょう。何はともあれ、このメッセージを当該サイトから消してもらいたいと考えるのは無理もないことです。このときに、このCGM系サイトの提供者たる事業者に電話をかけて早急な対処を求め、その場で、「承りました。早速○○等の措置を講じます」との回答を得るのと、このCGM系サイトの提供者たる事業者の苦情受付用のアドレスに宛てて早急な対処を求めるメールを送り、「お客様のメールを受信しました。1週間以内にご回答いたしますので、しばらくお待ち下さい」という自動送信メールを受け取ったきり、どのような対処をしてもらえるのかわからないまま最大1週間を過ごすのとでは、不安度が全く異なることは想像に難くありません。

 もちろん、苦情や問い合わせの窓口をメールに一本化しても、送られてきたメールを即時的にチェックできるような体制を設けておけば、クイックレスポンスは不可能ではないかもしれません。電話と同様の安心感を与えるためには、クレームを行った側も、事業者からの回答メールを即時的にチェックする体制をとっていることが必要となります。それはそれで、いつ来るかわからない事業者からの回答メールを絶えずチェックするというのは、並行して社会生活を営んでいなければいけない一般市民にとってはそれほど容易ではありません。

 また、苦情や問い合わせの窓口をメールに一本化した場合には、苦情等を送る側は、伝えるべき内容を全て含むメールを最初から作成して送らなければならないという問題があります。電話による苦情受付であれば、苦情を受ける側で、不足している情報を相手に質問する等して、即時的に必要な情報を補充することができるにもかかわらず、です。もちろん、事業者からの回答メールの中で、不足している情報について相手に質問をすることは可能ですが、その場合、事業者からの質問メール、申立者からの回答メールという2本のメールが必要となり、それぞれのメールが送られてから相手方に実際に認識されるまでの時間的なギャップを考えると、申立者からの回答メールを事業者が認識した段階では、すでに手遅れとなる事態が生ずる可能性が十分にあります。

 CGM系サービスは、利用者が第三者を傷つけるために用いる危険が常にあるわけですから、これに即時的に対応する体制を整えることは痛切に求められるところであり、その提供するサービスがある程度以上のアクセス数を集めるようになったら、そこに投稿された内容が第三者を危険にさらす度合いが増大するわけですから、即時的な対処を行い得る体制を整える時期に来ているのだと思います。

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