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21/12/2008

「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている状況

 Googleのストリート・ビューに対してはこれに反対する動きが続々と生じているようです。

 ただ,ストリート・ビューの場合,網羅的であるというだけで,プライバシー権等の市民的自由を侵害する度合いは,これまでCGM系サービスが行っていたものと比べると,相当低いものです。それなのに,地方議会を含め,ストリート・ビューについてのみ文句をつける人たちって,私とは感覚が違うように思います。田島泰彦さんや斉藤貴男さんは,「(画像をネットに掲載することにより)プライバシー情報が容易に、かつ広範、大量、永久的に流布され、深刻な権利侵害をもたらす」と言っているそうですが,個人情報って,ピンポイント的に,ある種の憎悪を伴って流される方が,よくよく深刻な権利侵害をもたらします(そういう意味では,新聞・雑誌・メディア等が,個人の肖像や自宅等の写真を撮り,掲載することを即刻中止させることの方が先だと思います。被害者やら容疑者やらの本人又は家族の肖像や自宅の写真など,「読者の下世話な興味・関心に応える」という以上にはこれを掲載する意味などそもそもないのですから。)。

 これはMIAU主催のストビューシンポの際に2次会会場に行く途中で津田さんと話したことなのですが,従前「祭り」が発生するとターゲットを個人情報を洗いざらい調べ上げ,時には自宅付近まで押しかけ,場合によっては自宅の写真まで撮って,ブログやら電子掲示板やらにアップロードされてきたわけで,それについてCGMサービスの提供者は自主的にこれを削除したり,そういうものがアップロードされないようにフィルターをかけたりしてこなかったわけではないですか。そして,そういう事業者の謙抑的な姿勢を,むしろ大方のネットユーザーは支持してきたわけではないですか。

 落合先生は,ストリート・ビューについてのGoogle社の対応についてサービス提供者が「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている状況表現しているわけですが,これってはてな等のCGM事業者がこれまでやってきたことと変わることはないし,2ちゃんねるにいたっては「オープンな場で言ってきたら削除してやるかもしれない」というレベルではないですか。もちろん,ストリート・ビューは,Google社自らスタッフを雇い機材を用意して情報を積極的に収集しているのに対して,匿名性を保証してあげることにより利用者にこれを行わせているという差はあるにしても,「祭り→個人情報晒し」の際にしばしば用いられるキーワードを含む投稿を自動的にピックアップしてこれを視認し,個人情報晒し投稿を見つけたら即刻削除するとともに,投稿者のアクセスプロバイダに通知する等の措置を講じたりなどせず(画像データしかないストリートビューより,テキストデータがある従前のCGMサービスの方が,問題箇所のピックアップは容易です。),「文句があったら削除してやるから言ってこい」とうそぶいている状況というのは,やはり同等かそれ以上に非難されてしかるべきなのではないかという気がします。

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