東弁の会長選挙 in 2009
今年は東京弁護士会の会長選挙があるせいか、昨日くらいから特定の候補に投票を呼び掛ける電話が入り始めています。昨日は、依頼者から携帯電話経由でかかってきた電話が一旦ぷつっと切れた直後であり、程なくして再度依頼者から電話がかかってくることが当然に予想された時間に投票を依頼する電話がかかってきたので、非常に突慳貪な態度をとってしまいました。
弁護士会の選挙は、東弁、日弁連含めて何度も経験しているのですが、ほとんどの運動員の先生方が、自分が支持する候補者が会長になったら何をして欲しいのかについて会員から話を聞こうとしないことには、少々あきれています。今や、派閥活動に熱心になれる弁護士というのは、それだけ時間に余裕のある、恵まれた弁護士に限定されているわけですから、そういう人たちの間でだけ盛り上がっているイシューのみを公約に掲げていると、一般会員との間で意識の齟齬が生じてしまうように思ったりします。
とりあえず、私は、法律相談からの直受に際しての弁護士会の報酬審査制度を抜本的に改正することを公約とするか否かで、その候補に投票する気になるかどうかが大きく変わってくることを予め宣言します。
これは部外者には分かりにくい話なので、説明します。現在、自治体等で行われている市民法律相談の一部では、相談者が望めば、相談された案件について、その相談を担当した弁護士に、事件処理をそのまま依頼できる制度(直受制度)が採用されています。当該弁護士が当該事件を受任するにあたっては、弁護士会の法律相談センターで、その相談者との間で取り決めた報酬が妥当であるかを審査することになっています。
ただ、この審査がひどくて、どうせ自分が受任するわけでないからか、俺様ルール、俺様解釈で、着手金・報酬の引き下げを求めてくる例が多発しています(私の経験では75%程度の発生確率)。そもそも、報酬規定がなくなった以上、着手金・報酬額をいくらに設定するかは弁護士と依頼者との協議で自由に決められるはずなのに、旧報酬基準に概ね準じた相談センター基準を遵守することを要求してくるだけでも理に適っていないわけですが、さらに、相談センター基準をねじ曲げて解釈したり、相談センター基準に明記されていない俺様基準を押しつけてくる審査担当が後を絶たないわけです。
「いくら何でもその報酬は取りすぎだ」という場合には紛議調停という制度が用意されているわけですから、直受だからといって、報酬額について事前審査をする必要はないし、審査基準にしても、紛議調停では問題とされないであろう金額を問題視する必要はないはずです。弁護士会館の一室で「今時の弁護士は、時間単価2000円で事件を受任してしかるべき」と偉そうに意見を述べるのは簡単ですが、そのレベルで仕事をしていたら、ビラブルアワー年2000時間で年間売上げ400万円ですから、少なくともOfficeless Lawyerにしかなれません。
こういう弁護士の足を引っ張る報酬審査担当は有害無益ですから、こういう人たちの審査を得なければ直受事件を受任できないシステムは一日も早く撤廃して欲しいものです。ということで、この報酬審査制度の撤廃を公約に含めることを、投票行動を決める際の第一順位にしたいと思います。
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Commentaires
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了解しました。当事者が納得しているかどうかの話ではないのですね。
(コメントがすぐに見えなかったので、直前の投稿は何回か重複投稿してしまったかもしれません)
Rédigé par: apj | 27/01/2009 18:47
この問題は、依頼者が値切る云々の問題ではありません。依頼者はその金額でOKしているのに、弁護士会の報酬審査担当が採算割れを強いてくるのです。
Rédigé par: 小倉秀夫 | 27/01/2009 12:19
自営業者でない人にとっては、弁護士の適正なコストの見当がつきにくいというのもあると思います。
弁護士事務所の台所事情なんてのをもっと情報公開してもらえないでしょうかね。たとえば、弁護士が3人、事務を手伝う人が2人、事務所はどっかの貸しビルで……といった、まあ、ありがちな設定の時に、何にどれだけコストがかかるというところから逆算して、弁護士の時給を計算するとこれくらいの値段、といった相場を示して欲しい。
そういった状況が伝わっていれば、無闇に値切る人は減るのではないでしょうか。業種が何であっても、仕事を回せない金額で発注するのは無理があることくらいはわかりそうですし。そうでないと、弁護士=高給取り、のイメージだけが一人歩きして、気軽に値切る人が後を絶たないのではないかと。
ところで、以前の法律相談の標準の料金であった、30分5000円は相場として考えてもいいのでしょうか。ここから計算すると、仕事を頼む側からすると、弁護士を丸1日拘束すると最低10万円、これが20万円以上だという弁護士は、一般の個人が頼む相手ではない(もっと儲かりそうな企業法務等向けの弁護士なのでは?)、といった話になるのではないかと思うのですが。
Rédigé par: apj | 27/01/2009 12:13